キミニ アイニイクヨ -2ページ目

キミニ アイニイクヨ

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統合失調症になったあの子、認知症ぎみのじいちゃん、柴犬プリンス♂とのチグハグな日々

三ヶ月の入院が終わり、めでたく退院を迎えた。

薬のせいか、歩く姿がヨチヨチとして様子がおかしい。

表情も乏しい。

しかし、頭の回転はいいみたいで色んなことに気がつく。

タクシーの運転手に話かけても、普通の人のように積極的に声をかける。



生活指導の人に週1回来てもらうことになった。

やりっぱなしだからである。

食べっぱなし、散らかしっぱなし。

汚物で汚れたパンツも洗濯機にいれっぱなし。

ずっと同じ服を着っぱなし。



パンを食べていても、バターを指でほじくりパンにつけて食べている。

本人曰く、「足が痛いから、歩きたくない。」という。



ただの言い訳である。

怠慢の性格は、病気ではない。

いつも、人のせい、物のせいにしてきた。

そうすることで、自分を守り。

そうすることで、やらなくていい理由ができる。





中身は、幼児のままである。

母親は、神様に何度も子育てのやり直しを命じられる。

躁うつ病と診断された時も、幼児に戻っていった。

子育てに失敗したと何度も言った母だった。

その思いをくみ取るかのように、神様はあの子を幼児に戻してくれる。




あの子の育ち方に問題があったのは、確かだった。

あの子にも、母親に対してもチャンスが与えられているのである。

とにかく、明るく素直で人間らしく活気を取り戻してほしいと思う。




色々と問題が多いわが家である。

この家族に生まれたことを何度も呪ったこともある。

それでも、この家族に助けられてきた。

やはり、この家族でよかったのだとそう思うようになった。




未熟な私がこうして、成長できる機会を与えてくれている。

あの子を見て、自分はもっと成長できると確信している。

私を育ててくれる師匠であると有難く受け取ることにする。




マイナスの要因をプラスに変えれば、人は大きく成長できる。

もっとそのことに気づけばよかったと思う。

そうは言っても、日々いろいろある。

きれいごとで済まされない。

感情なんてうまく処理できない。




毎日、悩み。葛藤。

そして、乗り越える。

人生は、それの繰り返し。





いつしか、大きな山の頂にたどり着いているかも知れない。

まだ、はじまったばかり。

頑張ります。










あの子の愛車の車検が12月に来る事になっている。
入院費の莫大な金額に、あの子も理解はしているようだ。
OLの1ヶ月分のお給料じゃ、全然足りない程の金額だ。




エアコン24時間入れっぱなし。1ヶ月のタバコ代3万円。




そんな生活を平気でしていても、金銭感覚は残っていたようだった。
急に車を売っていいと言い出し、頑として渡さなかった車のキーを自ら差し出したのだ。



これには、家族もビックリした。車内は、ゴミ屋敷と化していた。掃除するから扉をあけてとどんなに頼んでも怒り出して聞く耳を持たなかった。



そして、車中の掃除が始まった。
煙草と食べかす空き缶が転がっていて、どんなにか悪臭が漂うかと思いきや、夏の炎天下で何度も殺菌されるほどの高温で免れたらしい。



ペットボトル、空き缶、パン袋、菓子袋、布団、カセット、ビデオテープ、書類、洋服、靴、折り紙、卒業アルバム、メダル…
出てくる出てくる。



車ってこんなにも沢山の荷物が入るのだと感心した。
そんなこんなで、売却の手配が無事に終わった。
あの子は、そのお金をパチンコとタバコ代に使うと言っている。




あの子が真面目に働いて貯めたお金で車を買ったきれいなお金である。一生懸命働いたお金をパチンコとタバコで半年も経たないうちに、使ってしまうのか…。



悲しい生き方である。



お金には、生き銭と死に銭がある。
生き銭で使えば、自分にプラスになって帰ってくる。


あの子は、死に銭としてしかお金を使う事を知らないようだ。



時間を無駄に消費し、血液をドロドロにし、健康を害し、マイナスの形で戻ってくるだろう。



あの子は、もうじき帰ってくる。退院日が決まったのだ。



更に慌ただしい日々がはじまる。
車がなくなった事で、家族は1つ安心を得た。



あの子も少しずつ変わりつつある。
何とかなるだろう。





つづく
Gちゃんは、ハサミとガムテープが大好きだ。
何でもペタペタガムテープで貼り付ける。
おかげで化粧板が剥げてしまうのだ。




定年を迎え、数年経った頃から奇妙な行動をとっている。
クーラーが壊れたと言い線をハサミで切って使えなくし、吹き出し口から風が入るといい、ガムテープでふさいだのだ。
そんな調子だから、事件はまた起こったのだ。




子犬を我が家に迎え入れ、ケージを設置し、ヒーターを入れようとしたら、延長コードがいることに気がついた。




暫くして、Gちゃんが延長コードらしきものを持って「あったよ。これだろ!」とそう言って差し出した。
片側は、四角いボックスにコンセントに差す2つ足がついており、もう片側は線が切られた様子で導線がむき出しになっていた。




「Gちゃん、これ延長コードじゃないよ」と言ったが「いいんだ。いいんだ。」の一点張りだ。
追究すると、あのこの部屋の照明スタンドの線をハサミで切ったという。



「だって、使ってないんだろ!」と放った。



勝手にあのこの部屋に入って、掃除したり片付けたり、いつもそうである。
あのこが出来ないから、「してやってるんだ」とそう言うのだ。
しかし、延長コードが分からないなら分からないって言って欲しかった。
切ったむき出しの導線を結べばいいと、本気でそう言ったのだった。



チグハグである。