「出自を知る権利」どう守る 絵本で子に伝える試みも | 不妊カウンセラー里美のブログ

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朝日新聞デジタル

https://digital.asahi.com/sp/articles/ASL2G6T1GL2GUBQU029.html?rm=811#Continuation


「出自を知る権利」どう守る 絵本で子に伝える試みも


織田はなさんがつくった紙芝居「おかあさんのたまご」表紙織田はなさんがつくった紙芝居「おかあさんのたまご」表紙

お医者さんがパパとママに話をしている場面。「パパには赤ちゃんの素(もと)がない」ことを伝え、「親切な人から赤ちゃんの素を分けてもらいますか」と問いかける。
赤ちゃんの素を分けてもらったママの卵がおなかのなかで育つ場面。「二人で大切にあたためて、みっちゃんは生まれたんだよ」

 第三者の精子や卵子を使った不妊治療で生まれた子に、経緯を包み隠さず伝える試みが広がっている。事実を知らせるのはよくないとされてきたが、「出自を知る権利」の大切さが理解されるようになった。子どもが大きくなって希望すれば、提供者の情報にアクセスできるようにする取り組みも始まっている。

 「医師には『だれにも話さない方がよい』と言われたが、子どもが成長するにつれ、うそが重荷になってきました」

 昨年12月、神奈川県内であった「すまいる親の会」の勉強会。第三者の提供精子による人工授精(AID)で娘を産んだ織田はなさん(仮名)が自らの体験を語った。同会はAIDの当事者でつくるグループで、AIDを検討するカップルなどに情報を提供している。約40人が参加した。

 織田さんは9年前、娘が13歳の時にAIDで生まれた事実を伝えた。娘は「うん、わかった」と答えたという。「もしかしたら荒れ狂うかもしれないと心配していたけど、気が抜けてしまいました」。娘は現在大学生。告知後も親子関係に変化はないという。

 約10年前に無精子症がわかったという男性は、AIDで息子を持つまでの夫婦の体験を披露した。「息子はまもなく3歳。そろそろ告知のタイミングだと考えています」

 子どもへの告知は「テリング」と呼ばれ、絵本などが使われることが多い。織田さんは講演で「おかあさんのたまご」と題した告知に使う自作の紙芝居を紹介した。

 会の事務局を務める清水清美・城西国際大教授(看護学)は「少しずつだが告知への理解や取り組みは広がっている。AIDで新しい家族をつくったことを誇りと自信を持って子どもに伝えてほしい」と話す。

提供者情報には接触できず

 AIDは1948年に慶応大学病院(東京)で始まり、これまで1万人以上の子どもが生まれた。日本産科婦人科学会(日産婦)の統計によると、2015年には1029人がAIDを試みて、86人が生まれた。

 

日産婦に登録された実施施設は、2003年には26カ所あったが、昨年7月時点では12カ所に減った。提供者の確保が難しくなっていることが背景にあるとみられる。全国で実施されるAIDの約半数を手掛ける慶応大学病院は「AIDを希望する方は依然としており、むしろ増加している」とする。

 一方、ネットを介して、個人が精子を提供する動きが出ており、トラブルや子どもへの影響を懸念する声もある。

 子どもへの告知が広がる背景には、大人になって事実を知った当事者たちの抱える深刻な問題が明らかになってきたことがある。家族関係の崩壊や遺伝的ルーツを知ることができないが故のアイデンティティー喪失などだ。AIDで生まれた当事者の自助グループ「DOG」を主宰する石塚幸子さん(38)は「親に隠されていたショックや怒りで、多くの当事者が今まで信じていたものが突然崩れてしまう感覚に襲われる」と話す。

 石塚さんは父親の重い遺伝性疾患をきっかけに23歳のときに母親から事実を知らされ、「自分の人生はうその上に成り立っていたのか」と思ったという。

 知らされる前から親子の間にぎこちなさや隠し事があると感じていたとの調査結果もある。石塚さんは「小さいころから事実を伝えれば親子の信頼関係は保たれる。子どもが自分自身を肯定することもできる」と話す。

 ただ、日産婦は、AIDの精子提供について匿名を実施の条件に掲げている。告知を受けても子が提供者の情報にアクセスできない問題が残る。

 欧州などでは、子どもが提供者の情報にアクセスできる「出自を知る権利」を法律で定める国も多い。

 日本でも厚生労働省の部会が03年、出自を知る権利を含めた法制度が必要とする報告書をまとめた。①提供者の個人情報を公的機関で80年間管理し、子は15歳になると情報の開示を請求できる▽開示で予想される問題や影響について公的機関は当事者からの相談に応じ、説明するなどが柱だ。だが、実現には至っていない。日産婦でも出自を知る権利については手つかず状態が続いている。

 慶応大学病院でも、AIDを受ける夫婦に出自を知る権利の重要性は伝えているものの、「ドナー(提供者)の個人情報の守秘を前提としているため、個人情報の守秘の方針への同意を治療開始の条件としている」という。生まれた子が将来、提供者の個人情報を求めて来院しても「遺伝的な父親を教えることはないと説明している」とした。

 朝日新聞の取材に慶応大学病院は「社会全体で議論が積み重ねられ、国による法制化や学会によるガイドラインの確立を計っていただくことを希望している」とコメントした。

独自に権利保障の実践も

 出自を知る権利を実践する独自の取り組みもある。

 不妊治療を専門とする約30の医療機関が参加する社団法人「JISART」(事務局・大阪市)では、第三者の精子・卵子を使った体外受精のガイドラインで「出自を知る権利」を保障し、親による告知を義務づけている。親へのカウンセリングなどを通じて告知の重要性を理解してもらうという。

 一方、提供者にも協力を求める。生まれた子どもが15歳以上になれば、提供者の個人情報の開示を請求できることなどを示して同意をもらう。提供者の名前や連絡先などの情報は、医療機関で80年間保存する。

 加盟する医療機関で08年以降、卵子や精子の提供で47人の子が生まれた。「フォローアップ部会長」として親子を継続的に支援している臨床心理士の上野桂子さん(大分県不妊専門相談センター生殖心理相談員)によると、絵本などを使って告知を進めているケースもあるが、周囲の反応が怖くてまだ始められていないケースもある。定期的に送る調査票が戻ってこなかったり、音信不通になったりすることもある。「できるだけの支援をしたいが、民間レベルでの取り組みには限界はある」と話す。

 JISARTの倫理委員を務める金城清子・元龍谷大法科大学院教授(生命倫理)は「生まれてくる子どものためにも国は早急に法制度を整備すべきだ」と訴える。(行方史郎)

     ◇

●「おかあさんのたまご」

 AIDで生まれたみっちゃん(5)が近所のおじいちゃんに「みっちゃんは卵だったんだよ」と話しかける。パパとママが結婚して、早くママのたまごが大きくなれ、と思ったのに大きくならなかったことや、お医者さんに「パパに赤ちゃんの素(もと)がない」と教えられたこと、そして親切な人から、赤ちゃんの素をプレゼントしてもらったことを話す。「2人でたいせつにあたためて、たまごは大きくなって、みっちゃんは生まれたんだよ」



【AIDや告知のための資料】

●「わたしのものがたり MY STORY」(編集・発行 清水清美)

●「ゆみちゃんのものがたり ―愛する両親から、卵子提供で生まれた子どもにテリングする―」(文・編集・発行 才村眞理)

●「Family Building AID―家族になるということ―」

(清水清美 すまいる親の会)

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/


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