桜の花が美しく咲き乱れる素敵な季節ですね。
この時期になると思い出されるのが、師である、
ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベのバースディパーティ。
毎年開催されるパーティはとても煌びやかであり、師の華麗なタンゴにはとても魅了されました。
師の明るく魅力的な人柄のせいもあり、
会場には多くの方が集い、毎回心に残る素敵な時間を過ごすことができました。
師と私が出会ってからもう長い年月が経ち、他にも思い出は数えきれないくらいたくさんあります。
その中でも特に鮮明な印象があるのは、師と弟子仲間で出かけたロンドン旅行です。
当時の私は今以上にミステリアスな分野に関心があり、世界遺産であるストーンヘンジを観たり、
珍しいタロットカードを購入できるかもと、期待に胸を膨らませていました。
実際に訪れたロンドンは予想以上に素敵で、
占星術の専門店で美しいホロスコープの用紙を見つけたり、
もちろんレアなタロットカードも購入することができました。
何もない平原に突然現れたストーンヘンジからは、神秘的なパワーを感じましたし、
ここが魔女術発祥の地ということもあり、とても感銘を受けました。
そして、最終日前日に立ち寄ったアンティークな印象の金物屋、
そこで出会った美しく繊細な飾り斧に私は一目惚れしてしまったのです。
月の形をした先端部分には美しい装飾が施されており、思わず後先のことを考えず
衝動買いをしてしまいました。
しかし、ホテルに持ち帰ったところ、
その斧はかなり大きくスーツケースにも入りません。
仕方なく、スーツケースの周りにガムテープで
ぐるぐる巻きに縛り付ける方法を取りました。
持ち運ぶ方法はクリアできたものの、問題はこの後でした。
帰路途中の税関に立ち寄るたびに、
税関の方々に『それはだ何だ』と呼び止められ、
その度に、師は流暢な英語で
『これはインテリアで、危ないものではない』と
丁寧に説明してくれました。
師には大変ご迷惑をおかけして申し訳なかったです。
その時の飾り斧は今も大事に、
占いをする部屋に飾ってあります。
こうして、師のおかげで持ち帰れた斧を見るたび、師の優しさ、暖かさを思い出し、
胸がいっぱいになります。
もっともっとたくさんお話がしたかった。
けれど占いの世界に導いてくれた師は
私の先生であると同時に父のような存在で、
そんな師に巡り合えて本当に自分は幸せだったと、心から思います。