短篇小説「偽善者の3つの願い」作者リニア 起承転結の計4話、<転の巻>



「はい、一つ目が終了しました。二つ目の願いは何にしますか?」


ん?いったい何が変わったのだろうか?

何が変わったかを聞いたら二つ目の願いとして捉えられるかもしれないから聞けない。


私自身はどこも何も変わっていない。見渡す限り何も変わっていないところをみると、何も変わっていない可能性が高い。

仮に、今の世界がすでに幸せであって、不幸があるから幸せがあると考えると、今不幸せに見える人も事柄も実は幸せのためにあるのかもしれないと解釈できる。また、不幸せと判断しているのは誰なのかという問題にもなり、神仏の視点から見ればすでに世界のみんなは幸せなのかもしれない。


世界が変わらないことを知っていて呪文を唱えるなんてこのイケメン魔人、なんて偽善者なのだろうか?私以上の偽善者だとしたら、私のプライドが許さない。自意識が高い女は自尊心も高いのよ。



二つ目の願いは私の主観とイケメン魔人サンの主観のズレを問う願い事にして困らせてしまおっと…。


「それじゃ、二つ目の願い事は【自分の偽善ぶりが直りますように】にするわ。」


「かしこまりました。ご主人様」

イケメン魔人がちょっと悲しそうな顔をしていたように感じたのは気のせいかしら?


また不思議な言語で呪文を唱えている。一生懸命な顔がイケメンだから素敵に見える。


「二つ目の願いは叶えられました。最後、三つ目の願いは何にいたしましょう?」


ん?


本当に叶えられたのか?ここで自分の偽善ぶりを発揮しようとして変なことを話して3つ目の願い事だと捉えられたらもったいないので、何も問わないことにした。


もし、私の偽善ぶりが直っているならこの願い事はお願いできないはずなのだが…。



「それじゃ、三つ目の願い事ね。『あなたの願いが叶うようにして欲しいの・・・。』あなたのために願い事を使わせてちょうだい。うふっ。何でも叶えていいのよ。」



おや?


この願い事がお願いできたということは、二つ目の願いが叶えられていなかったということなのだろうか?


それとも私の本心からのお願いだと判断してくれたのかもしれない。そう考えるとこのイケメン魔人は私に気があるのかも?どうしようかしらん♪…うふふ。



ビックリしたような表情を一瞬見せたかと思ったイケメン魔人は、

「かしこまりました。ご主人様」

といって、呪文を唱えだした。


そして、

「三つ目、最後の願いも無事叶えられそうです。それでは…。」

と言ったかと思ったら、姿が消えてしまったのであった。



<転の巻>終わり