「忍法! 恵方巻」


「うぅわ~、身体が勝手に北北西の方角に・・・ぐぐっ。」


俺はいつの間にか関西勢の術にはめられていた。

腰に左手をあて、右手で恵方巻を持ち、かぶりつく。


関西の文化にやられたというより、商業的な戦術に

やられたといったほうがいいだろう。


「拙者はとうとう関西の軍門に降ってしまった。

こうなれば是非もなし・・・。」


介錯する者もないので、独り刃物を持ちながら


「腹を…」

と覚悟を決める。



刃物がブスリと、


2本目の恵方巻を真っ二つにする。



「腹を・・・減らすまで半分残しておこっと♪」


明日の朝もホクホクしながら北北西の方角を

向きつつ、阿呆が恵方巻を食べることだろう。


終り