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Chandler@Berlin

ベルリン在住

確か,キルゴア・トラウトの小説に「理性的なクソ」というものがある.

Se-Cluger 星人達は時間旅行こそできないが,理性的な人達で,よく考えてから行動する.また完璧主義である.

彼ら個々人としてはより快適な住まいや,自分の幸福とは何かなどについて考えることが多かった.全ては話合いで解決され,それも論理的なものであったために解答はほとんどの者に明かであった.どうしても解決されない場合には,他の星に移住するということもできた.解決のために殺し合いをするというのは論理的ではないということは皆に一致した意見であったからだ.彼らは種族として完全な理性を追い求め,自己改造をする技術まで身につけた.

ある時,ついに彼らは完全な理性を得るに至った.その星のエネルギは無駄に利用されることもなく,さまざまな病気も解決された.未来は計画され,子孫達に負担を残すようなことも避けられるようになった.しかし,生命である以上,その種族はやがて滅びることが明らかになった.それははるか未来のことと予想されたが,どうせ滅びるのであれば,種族として生きることは無駄であるとの論理的な結論に達し,種族は自殺した.

Tralfamadore 星の動物園にはこの種族が保存されていたが,母星の種族が滅んだことを知ってやはり自殺してしまった.Tralfamadore 星の人達は時間旅行できるのでこれを知っていたが彼らはいつもどおり何もしなかった.もちろん,彼らが Se-Cluger 星人に会いたければ,過去に戻ればいいだけの話であるのだが.

賢いということや理性的ということなんぞ知ったことか.

相互に排他的な事象(Mutually exclusive events)と 独立な事象(Independent events)とは全く違うので混同してはならない [1].最近,私は確率論に関係する本 [2] を読み始めた.この本の第二章で既に私は長年,間違って覚えていることがあることに気がついた.私は確率論は苦手である.多分,かなりの基礎を誤解していたからだろう.排他的と独立は同じものだと思っていたのもその一つである.ここではそれがどう違うのかを話そう.


相互に排他的な事象は同時にけっして起こらない事象のことである.定義は以下である.

Chandler@Berlin-exclusive

その例としては,

- コインの第一投で表がでる.
- コインの第一投で裏がでる.

つまり一回コインを投げた場合,表が出てかつ裏も出るということは起こらない.そういうものが相互に排他的な事象である.

しかし独立な事象は起こる可能性があるものである.定義は以下である.

Chandler@Berlin-independent

これは 0 ではない可能性がある. 独立な事象の例は以下である.

- コインの第一投で表がでる.
- コインの第二投で裏がでる.

これらの二つの事象は独立である.

しかし,この独立の事象の定義は結構難しいと思う.それぞれの確率を掛けたものが二つの事象が発生する場合の確率に等しいというものはどうやったらわかるのだろうか.観測からではそれぞれの確率を正確に知ることは難しいのではないだろうか.多分,どう定義するかによるのかと思うがが,この定義からどの事象が独立かを言うのは私には明らかではない.

参考文献

[1] 玉木久夫, 情報科学のための確率入門 アルゴリズム・シミュレ-ションへの応用のために,ISBN-13: 978-4781910123

[2] Malvin H. Kalos and Paula A. Whitlock, Monte Carlo Methods, Volume I: Basics, ISBN-13: 978-0471898399

今回の blog は sample variance と Bessel's correction についてです.

問題に関しての漫画を upload しようと思ったのですが,あまりに遅いのでこちらには up していません.blogger の方でご覧下さい.

いったい sample variance とは何なのか?
なんでそんなことを考えるのか?
それは誰か気にすることなのか?
ビールを選ぶ良い方法はあるのか?
人生,宇宙,そして全ての答えとは何なのか(What is the answer to life, the universe, and everything?)?


Sample variance と Bessel's correction への入門スライドはこちら

Sample variance と Bessel's correction の詳しい説明はこちら