Filter design (1) | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

Filter design

Hamming の Digital Filter の話だが,3.9 節があまりにすばらしいので何か書いておきたい.

しばらく前に話題になっていたのば,サッカーのテレビ放送でゲームでブブゼラ(Vuvuzela)の音をは抑えたいが,歓声やゲームの音は通したいというようなことだった.この場合,どんな周波数がブブゼラの音にあるのかを分析し,それを選択的に通さないようにする.デジタルフィルタの設計というのはある周波数を通すとか通さないとかいうことになる.具体的な例としては以下の記事が面白かった.http://blogs.mathworks.com/loren/2010/06/30/vuvuzela-denoising-with-parametric-equalizers/

3.9 節では non recursive filter の単純な例が述べられる.これは
Chandler@Berlin-eq1
という3つのサンプルを使うフィルタだ.この場合,フィルタの設計はa,bの値を望みのフィルタに適するように求めることだ.まずは,transfer function を求めてみる.前回述べたように,transfer function はフィルタ関数のeigenvalue である.つまり,フィルタ F の入力に対して何が出てくるかを示している.ここで,信号を x (= 時間の関数 x(t)) として, フィルタ操作関数をF とすると,eigenvalue λを考えて,F x =λ x である.線形代数の方法になじんでいる人は,F を matrix A と考えて,λ をスカラと考えると,A x = λx になることに注意すると良いと思う.)
Chandler@Berlin-eq2
したがって,transfer function は
Chandler@Berlin-eq3

もし,望みのフィルタが π/3 の周波数をそのまま通し (=1),2π/3 の周波数をカットしたい(=0)という場合,transfer functionをそのようにする.
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これを解くと
Chandler@Berlin-eq5
が得られる.フィルタは
Chandler@Berlin-eq6
となった.

これだけでは何が起こったのかまだわからない.そこで次回はこれに実際の信号を入れてみて,フィルタがどう働くかを見てみよう.