久しぶりに専門とはちょっと離れた話題です.
私は日本から友達が来るとなると,いつも本を数冊お願いする.友達の姉が来るというのでもお願いするほどである.Amazon で直接注文することもあるが,配送料が高い頻繁にはできない.日本の本屋は本で勝負するというそれはそれで美しいとは思うが,計算機の力を借りたネット販売も同じ本があるという意味では時代遅れになりがちである.
ドイツでは本屋にはたいていカフェがあり,子供が遊べたりする場所もある.ソファも置いてあって,立ち読みならぬ座り読みすらできる.私が子供の頃には私の両親は私をデパートの本屋に置いて買い物に行っていた.私は本屋で幸せであったが,ずっと立ち読みしているだけなので,店員に追い出されたこともあった.
Muenchen の Marienplatz の前の本屋は最上階にカフェがあって,有名な時計台を上から見ることができる.私はそのためにわざわざ本屋に行ってみたりした.
日本でもカップルがデートに来たり,親子連れが来るような本屋というようなコンセプトは可能性があるのではないだろうか.私が本屋に入ったら,Google やAmazon のような端末から物理的にどこにその本があるのかとかわかるともっと嬉しいと思う.あるいは,本屋の中に WLAN があって,携帯端末から物理的な場所がわかるとなると,面白いかもしれない.とはいっても私は携帯端末(スマートフォン)を持っていないのだが.
本屋は私にとって旅に出る場所でもある.本をみつけること自体は時には目的ではない.だから検索したくないときもある.島田和彦の燃えよペンで,漫画家が本屋に行き,写真集を見ながらニューヨークに思いをはせるシーンがあるが,あれこそ本屋である.本屋は私の想像力を解放する場所だったのだ.なぜかネットにはその感覚がない.あっても良いと思うのであるが.