Veach 論文に関する私的補足(16) p.116, p.122, p.226 | Chandler@Berlin

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ベルリン在住

p.116 4.6 Adjoint operator

少し戻るが Adjoint operator が後でも重要になってきているのでコメントしておこう.この operator が Hermitian として書かれている.これは conjugate transpose なので,複素数が関係しているのか,つまり虚数エネルギーなどを扱うのかとか思ってしまう.Hilbert 空間の話があったので,それと関連しているかもしれない.しかし,7 章まではこれは symmetry を意味しているにすぎないようだ.光輸送方程式では,光が光源から来て反射していくのをカメラで捕えた場合,この光源と光を交換しても良いということを示している.

謝辞
Carsten W. にこれで良いかと尋ねたらそうであろうとのコメントを頂いた.感謝します.

p.122 particle tracing 式 4.32のコメントの補足

私の blog ではこれをややこしく説明したが,なんのことはない,p.226 の式(8.9) そのものだ.この説明は簡潔で正確である.しかも,一般的である.というのも私は2つの加算を説明したが,この Veach の式は積分型で全ての場合に対応しているからだ.なんとも簡潔に説明できるものだなあ.

p.226 vertex

vertex (頂点)と聞くとつい三角形の頂点を想像してしまうのだが,この論文ではこれはサンプリングポイントである.サンプリングポイントは edge で接続されている.人によっては頂点数を距離とすることもあるが,Veach では edge 数を距離としているようだ.これは数字が一つ違うだけだが,違いがある.