Linear Algebra, 2.5, Problem34,45 Gilbert Strang | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

Gilbert Strang の Introduction to Linear Algebra 4th ed. の2章5節の問題 34 と 45 は以下のような問題である.問題 45 は問題 34 の拡張と考えてもよいだろう.

34. 次のブロックマトリクスの逆行列をみつけ(それらが存在すると仮定し),確認せよ ):
45 2行2列のブロックマトリクスのための消去法: 第一ブロック行かけるCA^{-1}を第二行から引くと,
次の ``Schur complement'' S が得られる:

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問題45はこの後具体的な S を求める問題であるが,ここまでくれば次の疑問が浮かぶのは自然であろう.

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問題 45 改: 2行2列のブロックマトリクスのための消去法: 2行2列のブロックマトリクスの逆行列を求めよ.

それを求めてみた.

まずは次式(1) がブロック行列では正しくないことを示そう.(これは要素がスカラの場合には正しい.)

まず,1/(AD-BC)がどう定義されるのかが疑問だ,1/|AD-BC| かもしれない.しかしこれは実は問題ではない.


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式(2)の12要素はDB-BD != 0であり,21要素は -CA+AC != 0である.行列は一般に commutative ではないからだ.そうすれば,非 0 の何をかけても 0 にはならない.したがって,式(1) は正しくない.ブロック行列でも様々な式がスカラの要素の行列と同様に成立するが,このように commutative を仮定するもの
はその限りでないということだ.

では,正攻法,Elimination によって逆行列を求めてみよう.

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逆行列がわかった.確認してみよう.まずはT^{-1}Tを求める.



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TT^{-1}も同様である.すばらしい.予想できたとはいえ,面白いなあ.