A Hitchhiker's guide to Lambda | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

λ計算とヒッチハイカーズガイド

ブログを書くことなどないだろうと思っていたが,友人のブログが一週間お休みになってしまったのを機会に自分の興味あることを書いてみることにした.しかし,自分には興味があるが,どんな読者ならばこんなことに関して興味を持つのだろうか.

今回のネタはλ計算というものだ.実はいったいこれがなんなのかが知りたくて,Wikipedia を見てみた.ところが,実際の計算を理解するまでに一週間かかってしまって,友人のブログはもう再開されている.とても特殊な話だし,友人のブログは面白いのでそっちを読めばもう書かなくてもいいかなと思ったが,一週間かかってわかったことを自慢したくなったので書いてみよう.でも,誰かにコメントで「そんな簡単なことを一週間も考えないとわからないとは,愚かものめ」,と書かれるかもしれないと思うとちょっと勇気が必要である.

とにかく何がとてつもなく日常世界と違うことに出会ったら,まずは何かのガイド本を開くのは一つの手である.有名なガイド本には地球の歩き方とか,銀河ヒッチハイカーズガイドとかがある.私は銀河ヒッチハイカーズガイドという小説のファンなのでλ計算のヒッチハイカーズガイドを書いてみようと思う.

銀河ヒッチハイカーズガイドによれば,銀河ヒッチハイカーズガイドという本は銀河で最も売れている本の一つである.しかし,それがいったいどの言語で書かれているかは明らかにされていない.売れている本ということは,どうやら,銀河のどの人達もそれを読むことができるようだ.ただし,光の感覚器官が無い人達はいったいどうやってガイドを読むのだろうかという疑問は残る.

ガイド本は人工頭脳を内蔵しており,各星人は Babel fish を使って理解するという方法もあるかもしれない.Babel fish というのはこの小説の中ではテレパシーを使って翻訳をしてくれる便利な魚であるが,魚なのでよく間違える.(この小説から名前をとった翻訳エンジンもある.)

しかし,小説の主人公Arther は確か Babel fish を入手する前に既にガイドを読んでいたようだ.とすると,何らかの翻訳機が入っているのであろう.銀河中の各星人向けの翻訳があるのではというふうに考える人もいるかもしれないが,ガイド社が各星人向けに翻訳するような手間をかけるはずがない.ガイド社はかつて時間と空間を越えてたった一冊の本を全ての平行宇宙に売ろうとした会社である.

翻訳装置ができるとしても,その本の native な言語というものは多分あるだろう.内部表現というやつである.どんな言葉が使われているかというかは想像することもできないが,論理などは言語にあまり依存しないでようにすることもできる.しかし,どんな論理も人間に理解できるようにするには,どこかで自然言語とのインターフェイスをとらなくてはいけない.論理自身は最初にいくつかの
定義が必要である.たとえば真とか偽とは何かとか,数字の 1 は何かというようなことである.

まずはλ計算がどんなことを考えているのか,その内部表現は何なのかを続きで書いてみようと思う.