10年来の友人は、私が発病したときの大きな支えでした。癌になっても誰の前でも弱音を吐けなかった時に、電話口で大泣きして話を聞いてもらったのを覚えています。

2016年12月私が手術のために入院していた頃、友人の大切なお兄さんも難病で入院中でした。
お兄さんの病院と私の病院を行来してくれて。大変な日々だったことでしょう。
ずっと忘れることはできません。

ある時、友人夫妻がお兄さんのお見舞いに新聞を持っていって、ベッドサイドで読み上げたらとても喜んでくれた、という話を聞かせてくれました。

入院中はもう人生が病気に支配されたかのような日々。
治療のために入院しているのだから当然かもしれないけれど、いろんな不安に押し潰されそうでした。誰もがそうだと思います。

そんな時に、病気とは関係のない自分を取り戻せる一瞬はとても貴重な時間なのだと気づきました。

新聞を読むのを日課にしていたという友人のお兄さんもそうだったのかもしれない。
友人にそう伝えると「そうね、闘病中だからこそわかることだよね」
その後も新聞を持って通っていたと話してくれました。

何気ない日常、周囲との以前と変わらない会話など、病気に影響されていないことを取り戻すことで、ずいぶん心が救われていました。

「病気になっても病人にはならない」
5yearsのお友達から教えていただいたことでもあります。

その後、谷川啓司さんの『がんを告知されたら読む本』に出会いました。(かなり読み込んでヨレヨレになってます😵)


心が症状にも大きく影響すること等を知って、病気ではない自分を取り戻す大切さを再認識しました。
著書の中で書かれている「癌が与える苦しみの大半は癌のためでなく、癌があると知ることによる心の苦しみ」はとても納得したし、ある意味安心できました。


「知る」ことで少しずつ病気と向き合う勇気をがわいていました。



☆☆ミカンではなく、オレンジの隣に座るのは「文旦」。この時期、友人が届けてくれる嬉しい春の便りです。文旦2つ剥くのはけっこうな力仕事。
抗ガン剤の副作用で両手がバネ指(腱鞘炎)の私には良いリハビリになりました。去年は全然剥けなかったし。これから文旦が大好きな娘に届けに行ってきます❤