香「さっき…視えたでしょ?」
和「あ…」
香「あぁ!ごめんごめん、誤解しないで!責めてるわけじゃないの!そうなるってことを考えなかったあたしが悪いし。智に言われてたのに…」
和「智…」
香「あ…えっと…ちがっ!その…大野くん?」
言い換えるカオリさん
僕は
自分のことを棚にあげて
責めるような言い方になるのがいやで
自分から
智のことをふった
和「いいんです、別に…。その…智とそういう関係なんですよね?」
そう言えば
カオリさんは
びっくりした顔をして
香「えぇーーっ!?イヤイヤイヤイヤ!」
自分の顔の前で手を何度も振る
香「絶対にないから!無理無理!っていうか、あたし好きな人いるからね!」
和「え?好きな人?だからそれが…智なんですよね?」
香「違うっ!!ない!絶対にない!断じてない!ないない!」
すごいな…
全力で否定だな
香「えっ…と、その…和也くん…あの…あれ…?視えなかったかな?智以外の人?えっと…その…雅紀くんの友だちなんだけどね」
そう言って
しどろもどろになりながら
話したカオリさんが
今までよりも
可愛い顔をしていて
あぁ…
本当に違うんだ
って思った
香「ってかあたしのことはいいんだよ!」
カオリさんは改めて
自己紹介してくれた
香「野上香織っていうの」
智とは学部と年齢も一緒だけど
ちゃんと喋ったのは
『楽園』で相葉さんに紹介されてかららしい
香「和くんも大学の智のこと知ってると思うけど、紹介される前から智のことは知ってたんだよね?大学で、ほら有名でしょ?」
和「それは、まぁ…」
たしかに、良いも悪いも有名人ではあった。あまり聞きたくないことも聴こえてきたけど噂ほど馬鹿らしいことはないと僕自身が思っていたから気にしてはいなかった
続く