その仕草を櫻井さんが見てて『どうかした?』と言われたけど、曖昧に笑って誤魔化した。
それからはまーくんが僕たちとの話をしきりにおもしろおかしく話してて、潤がたまに嫌そうにしながらまーくんを睨んだりして、櫻井さんはそんな僕たちをみて、羨ましいよって言ってくれた。
僕はたまに会話に入りながらチラッと大野さんを見る。
大野さんはふわっと柔らかく会話の内容に合わせて笑うけど、たまに視線を外して何かを考えてるような仕草をするその顔が儚いというのかな?
なんとも言えない色気を感じさせた。
そんな大野さんが僕は気になった。
僕はチラチラと会話の合間に見ては目が合いそうになると反らす、というものすごい不自然な動作を繰り返していた。
和「櫻井さんと大野さんも長い付き合いなんですか?」
翔「俺たち?俺らは高校からだね。まったく対象的な2人だったよ?」
潤「対象的?どういう意味ですか?」
僕が聞いたのに潤が興味を示したみたいで櫻井さんに聞き返した。
翔「智くんね?今こんなふわっふわしてるけど、めちゃくちゃ尖っててヤンチャだったからね?逆に今俺こんなだけど高校のときはめちゃくちゃ優等生してたからね〜生徒会長とかしてたし!」
智「翔くんホントうまく誤魔化してたよね〜ふふっ」
和「喋った…」
ボソッと出した声を櫻井さんが聞こえてたみたいで
翔「ふはっ!智くん?あ〜そういえば2人が来てから初めて喋った?」
くすくすと櫻井さんとまーくんが笑っていたけど、僕は大野さんの声がとてもキレイで『翔くん』っと言われた櫻井さんが羨ましかった…
結構な時間までみんなで騒いでたみたいで『そろそろ閉店です…』と声をかけられた。
みんなで慌ただしく帰り仕度をしてざわざわと表にでた。
翔「じゃあ!俺らこっちだから!」
翔さんは大野さんと二人で帰って行った。
そう…あれから翔でいいよって言われたから潤と僕は"翔さん"と呼ぶようになった。
まーくんは大野さんのことを"おーちゃん"と呼ぶけれどなんだか僕は照れくさく変わらず"大野さん"と呼んでいる。
潤は…
まぁ適当に僕と同じで大野さんだった。
つづく