上眼瞼修正手術におけるGore-Texの有用性 | ルネッサンス美容外科東京院・神戸院 曾我部コウのブログ

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私が切開式重瞼作成術においてVOGUE-flap(Variable-length Orbital muscle(septum) Graft in Upper Eyelid )を利用していることは以前の記事で紹介しました。
過去に切開式重瞼作成術を行っている人で、幅を変えたい(例えばもっと広げたいなど)ということで他院修正相談に当院を訪れる人も多くいます。 こういった再手術の場合、過去に行われた手術方法にもよりますが、癒着等の影響により、適切な長さのautograft(自己移植片)としてのVOGUE-flapが採取できないことが稀にあります。 こういう場合に私は、VOGUE-flapの代用として「Gore-Tex(ゴアテックス)」を使用してます。

「Gore-Tex(ゴアテックス)」とは、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluoroethylene)のことです。心臓血管外科領域で人工血管、人工心膜、心臓内欠損孔修復パッチ等で使用されるものです。
ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン)をある条件下で急速伸展させると、強靭な微多孔性の素材が生成されるのですが、これが、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン、つまり「Gore-Tex(ゴアテックス)」なのです。この「Gore-Tex」は化学的に完全な不活性素材なので生体適合性に非常に優れ、人体内で拒絶反応をおこすことがありませんので、インプラントとしては理想的な素材と言えます。

私は上眼瞼手術において、「Gore-Tex」を使用する場合「Cardiovascular Patch(心臓修復用パッチ)」を使用しています。線維の厚みは0.4mmで極めて薄くかつ柔軟です。4mm幅のstripとして、重瞼線の引き込み度合いに応じて長さを調節します。通常このstripを3枚程度使用します。このシートを使用し、挙筋腱膜と眼輪筋間の線維性連続構造を形成するのです。組織と固定する縫合糸も「Gore-Tex suture CV-8」を使用しています。これら「Gore-Tex」は必要であれば糸を含めて完全摘出することも可能です。

この「Gore-Tex」は今後、様々な上眼瞼、下眼瞼手術に応用できるのではないかと考えています。