「人生、何度でもやり直せます」
バツ3、結婚4回。
波乱万丈の真実を「光」に変える
ノンフィクション作家・橋本ねね です。
🔻前回の記事54話は、こちら🔻
お酒に浸かっているその瞬間だけが、
私にとって一番心地よく、
唯一「幸せ」を感じられる
ひとときでした。
現実に引き戻されるのが怖くて、
そんな生活がしばらく続きました。
義実家と自宅を往復する生活も、
心身ともに限界に近いものでした。
私はお酒の力を借り、
半分開き直るような気持ちで、
子供たちを連れて自宅に
戻ることにしたのです。
待っていたのは、冷え切った家でした。
当然、夫からの謝罪などありません。
会話すら、一言もありません。
子供たちは、夫が帰ってくると
本能的に恐怖を感じるのでしょう。
怯えて、別の部屋に隠れるように
なりました。
父親が突然、母親に向かって、
「てめえ、このやろー!」
と怒鳴り散らし、足蹴にする。
暴力が日常茶飯事の家で、
幼い心が休まるはずがありません。
その一方で、義両親は
孫たちをとても可愛がってくれました。
娘たち二人も「じじ」「ばば」と、
あそこにいる時はいつも楽しそう。
だから私は、日中は毎日、
率先して義実家へ娘たちを
連れて行きました。

娘たちにはこれ以上、
私が暴力を振るわれている姿を
一秒たりとも見せたくなかった。
あそこは、あいつの狂気から
娘たちを物理的に引き離せる、
唯一の場所だったから……。
(第56話へ続く……)
編集後記
お酒で心を麻痺させてでも、
自宅に戻らなければ
ならなかったあの頃。
夫への期待はもう消えていましたが、
子供たちの怯える姿を見るのは、
何よりも辛いことでした。
義実家という「逃げ場」があったこと
だけが、当時の私と娘たちの、
唯一の救いだったのかもしれません。

