「人生、何度でもやり直せます」
バツ3、結婚4回。
波乱万丈の真実を「光」に変える
ノンフィクション作家・橋本ねね です。
🔻前回の記事53話は、こちら🔻
「孫は可愛い。でも、お前は……」
義実家という場所は、私にとって
針のむしろでした。
義両親は、孫たちのことは
無条件に可愛がってくれます。
けれど、自分の息子が、嫁に暴力を
振るうことに対しては、
「悪いことだ」と理解はしていても、
その根底には、冷酷な本音が
透けて見えていました。
「あなたが、あの子を
怒らせるようなことをするからでしょう?」
ひしひしと伝わってくる、
無言の圧力。
彼らにとって、私は
「息子を狂わせる原因」でしか
なかったのです。
孫が可愛いだけで、私への救いは
どこにもない。
ここに、私の居場所なんて、
最初からなかったんだ……。
夫の暴力から、距離を置くため、
数日間、奇妙な二重生活が始まりました。
あいつがいない昼間の間だけ、
義両親に子供たちを預ける。
その隙に、誰もいない
自分のマンションへ帰り、
溜まった家事をこなし、
身支度を整える。
そして夕方、再び「避難所」と
いう名の冷たい義実家へ戻り、
寝泊まりする。
それは、自分の家があるのに帰れない、
逃亡者のような日々でした。
移動の最中も、家事をしている間も、
心にあるのは圧倒的な孤独。
誰にも頼れない。
誰にも分かってもらえない。
張り詰めた糸が、今にも
プツリと切れそうでした。
ストレスと、未来への絶望。
その重圧に、
押しつぶされそうになった時、
私はとうとう………
唯一の、そして破壊的な
「避難所」に、
足を踏み入れてしまいました。

喉を焼くような、アルコールの刺激。
一瞬だけ、脳の芯が痺れて、
現実の痛みが遠のいていく。
それが破滅への入り口だと
分かっていても、
その時の私には、そうして自分を
麻痺させる以外に、
明日を迎える方法が
見つからなかったのです。
(第55話へ続く……)
編集後記
「お酒に逃げるなんて」と、
今の私なら思います。
でも、当時の私は、
それほどまでに追い詰められていました。
周りからの「お前が悪い」という
精神的な暴力。
これが一番、人の心を
壊すのかもしれません。

