「人生、何度でもやり直せます」
バツ3、結婚4回。
波乱万丈の真実を「光」に変える
ノンフィクション作家・橋本ねね です。
🔻前回の記事58話は、こちら🔻
娘たちと、この家での
「最後」の昼食を済ませ、
後片付けを終えて、
義実家へ向かおうとした、その時。
私の携帯に、あいつから
一通のメールが届きました。
「今夜、娘たちを実家預けて、
ご飯食べ行こうか?」
……は?
どの口が、そんなことを言っているのか。
あんな凄まじい暴力を振るっておきながら。
家中の家具をめちゃくちゃに
壊しておきながら。
いつもの事だったが、
謝罪の一言すら、聞いていない。
それなのに、何事もなかったかのように
二人で外食?
誰が行くかよ!
込み上げてきたのは、
悲しみではなく、烈火のような
怒りでした。
そして同時に、冷ややかな確信が
私を包みました。
私はそのメールを、一文字も返さずに
無視しました。
この「無視」という自分の行動こそが、
あいつと離れる決心が
完全についた証拠だと、
自分自身を確信したのです。
けれど、これは自分一人の
問題ではありません。
何よりもまず、娘たちのことを
第一に考えなければならない……。
私は、数日分の荷物を抱え、
義実家へと向かいました。

何も知らない、無邪気な娘たち。
「じじ」「ばば」に会えると知って、
嬉しそうにはしゃいでいました。
その笑顔を守るために、
私はもう、二度とあそこには
戻らないと誓ったのです。
編集後記
相手を傷つけておきながら、
自分の都合だけで「仲直り」を
演出しようとする。
その無神経さが、当時の私には
何よりも耐え難いものでした。
でも、あのメールを無視できたとき、
私は自分の中にあった
「夫への微かな期待」を
ようやく捨てることが
できたのだと思います。

