ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、

純粋な時期も!ございました。

この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、

遥か昔の話をひっぱり出します。

たった1人の人しか見えなかった。

あの頃。思い出しますとも。


このお話は、中学3年生頃のお話です。

少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。


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「初恋~二度と泣かない。~」





第6話 彼の好きな人。



久しぶりー。


そんな会話が学校中に響き渡った。

夏休みが終わり、二学期に入った。


結局、川本とは夏休みの間会うことはなかった。

電話も3度程だけで、練習後の疲れた声に手短にしか話せなかった。


2学期は、1学期より早く過ぎていく気がした。


あっと言う間に、秋風が吹き、心地よくもあるが、空の色の変る早さに、寂しさを隠せないでいた。


10月に入ったある日、私と川本は相変わらず、音楽室の掃除当番をしていた。

川本がホウキを持ち、私が塵取りを持つ。


「そう言えば、俺何もせんでいいんか?」


「あ!忘れてた!」


賭けに勝っていたことをすっかり忘れていた私は、突拍子もないことを口にした。


「川本って今、好きな子おるん?」


「え?」


急に赤らんだ顔を見て、私はニヤッと笑った。


「じゃぁ、その子の名前を言うことー!」


「え?何でやねん!」


「もう、決定。で・・・誰????」


私は、もう川本のことを好きじゃないんだろうか。

どうして、こんな質問ができたのだろうか。


「いやー。えーー?」


オロオロした川本の顔を見て、私は、また笑った。


掃除の時間が終わり、そのまま私たちは、教室へ戻った。

終礼が終わると、川本が私の席の前に来た。


「えっとなぁ、また今度でもいい?」


「いいよ!私今から、歯医者やし、また月曜日ね!」


予約時間があるので、急いでいた私は、鞄を肩にかけ、廊下に出た。


「まって!」


大きな声が廊下に響き、私だけじゃなく、たぶん廊下にいた同級生一同振り返った。


川本の顔を見ると、焦っているように感じた。


「どうしたん?」


「あんな・・・あんな・・・

  お前や!お前のことや!」


真っ赤な顔が、目の前にある。


理解できずに、呆然としてしまった。

私より先に、周りが理解したようだった。


ヒソヒソと聞こえる声たちに、私は顔が真っ赤になった。


「付き合って!」


まだ、続けますか。

私は、川本の手を取り走った。


「えーーー。」


「えーちゃうって。わかってたやろ?」


「わからんし、振ったやん。」


「それはさぁ、練習ばっかりやろ俺。だから、会ったりできへんし、寂しい想いさせんちゃうかなぁって思ったから。」


「でも、さっきは付き合おうって言ったやん。」


「それは・・・我慢できへんかったというか。嫌か?」



振られてから、私は川本への気持ちを隠していた。

自分にさえも。


でも、やっぱり好き。


「嫌じゃない。」


「やったー!」」


バンザイの格好をした川本は、とても子供っぽかった。


「電話とかするし。一緒に帰れる時は、帰ろうな。」


「うん。」


歯医者には完全に遅れてしまったが、私はかなり浮かれていた。

まだ、信じれない気持ちもあったが、その晩かかってきた川本からの電話で、実感した。


ーこれが付き合うってことなのかなー


ということ。


いつもの声よりも、少し優しい。

そして、川本も浮かれているようだった。


明日が、待ち遠しい。

昨日よりも、今日よりも、明日もっと好きになりそうな気がした。



青春の仲間入り。

できたかな。


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