ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、

純粋な時期も!ございました。

この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、

遥か昔の話をひっぱり出します。

たった1人の人しか見えなかった。

あの頃。思い出しますとも。


このお話は、中学3年生頃のお話です。

少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。


――――――――――――――――――――――――――――――――



「初恋~二度と泣かない。~」





第12話 合格発表



私と同じ高校を受験したのは、ミサトとユウキの二人。

合格発表へ向かう電車の中、私達は不安をぶつけ合っていた。


学校側も残酷で、全員で合格発表を見に行くことが決められていた。


地下鉄から地上に上がると、空気は重く誰も話さなくなっていた。


4月、この校門を再び通ることがあるのか・・・。

期待よりも不安が大きく、胸が痛い。


貼り出された大きな白い紙に、黒い数字が並んでいる。

私の手元の「231」と書いた紙。


大きく深呼吸しながら、だいぶ前の数字から辿っていった。



「あっ。」


思わず声が出てしまい、そして隣に居るミサトとユウキの顔を見た。

落胆した表情に、私は何も言えなかった。



ー合格者は、資料を取りに来てくださいー


誰かわからない女性が大声を出している。


「行っておいで。校門で待ってるから。」


ユウキが、私を促した。



資料を手に、私は急いで校門へ向かった。

どんな顔をして行けばいいのだろう。


その不安は必要なかったようで、校門に二人の姿はなかった。


駅の近くにある電話ボックスに入り、学校へ連絡をした。

私が、この連絡役になったことを、本当に良かったと思った。



合格した喜びは、勝手にどこかに隠れてしまった。



地元の駅に着いた時、ドンドンと響く音が耳に入った。

川本がバスケットボールをついていた。


私の顔を見るなり、川本が気まずそうな顔をした。


「どうやったん?」


「うん、受かってた。」


「え・・・・・?じゃあ何でそんな顔してんの?」


「うーん。川本は?」


「落ちてた。」


「え???」


「また、一般で受けるし大丈夫や。」


「そっかぁ・・・」


気の利いた言葉がまったく出てこなかった。


「で、何でそんなに暗いん?」


「ミサトとユウキが落ちたから、何か喜ぶタイミング無くて。」


「そっか。」


そう言い、川本は笑った。

そして、私の肩に手を置いて、キスをした。


「おめでとう。ほら喜べ!」


「ありがとう。」


「俺は、次絶対受かるから、そしたら春休み遊べるなー。」


「うん。楽しみにしてる。」


「おう、楽しみにしとき!」


そして、私達はもう一度、キスをした。


家に着くと、母親が私の帰りを待っていた。


「はい。資料!」


「すごいやん。おめでとう!」


母親の笑顔を、久しぶりに見た気がした。



漸く、喜びが出てきた時、母親は真剣な顔をして、私を座らせた。



「あんな。受験終わるまで、言わんとこうと思ってたんやけど。」


「ん?」



「あんな・・・・・




――――――――――――――――――――――――――――――――

ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、

純粋な時期も!ございました。

この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、

遥か昔の話をひっぱり出します。

たった1人の人しか見えなかった。

あの頃。思い出しますとも。


このお話は、中学3年生頃のお話です。

少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。


――――――――――――――――――――――――――――――――



「初恋~二度と泣かない。~」





第11話 母の横顔。



冬のプールは、緑色だ。

窓側の席に座った私は、ただ外のプールを眺めていた。


焦る心と比例して、ただボーっとしていた。


最後のデッサンの試験中。

急に腹痛が起こった。


時間が過ぎていき、半分を書いたところで鉛筆を置いた。


第一志望の高校なのに、落ちたに違いない。

私の心は、沈んでいた。


駅までの道のりは、殆ど地面を見ており覚えていない。


「レナ?」


ふと視界に入った、愛しい顔にさえ、笑顔を向けれないでいた。


「どうやった?」


「うーん。微妙かな。レナは?」


「微妙。」


「ラーメンでも食べにいこっか?」


「でも、誰か見てないかな?」


「見られたらあかんの?」


「家に帰るまでが受験ちゃうの?」


「それ遠足やろ?」


「寄り道するなーってプリントに書いてたやん。」


「一回帰ったって言ったらいいやん。」


「意味わからん。」


二人とも不安を感じていた。

いつも以上に、多弁になっていた。


地元のラーメン屋は、土曜日や短縮授業の時に、二人で何度が来たことがあった。


いつも通り、私は普通のラーメンを、川本は、大盛りのチャーシュー麺を頼んだ。

よくも、その細い身体に入るものだと、いつも感心した。


上手い上手いと食べる川本を見ながら、私もラーメンを口にした。


「痛い・・・。」


「え?」


今、食べたラーメンを全て吐き出した私は、お腹を抱えてその場に倒れてしまった。


気付くと、白い壁に囲まれていた。


「レナ?」


心配そうな顔をした母親が、すぐ側にいた。

母に聞くと、私は救急車で病院に運ばれたそうだ。


急性腹症という病名で、原因は不明。

受験によるストレスが原因かもしれないと言われた。


入院する必要はなく、ベッドから起き上がった私は、部屋を出た。

診察時間が終わった外来は、薄暗かった。


たくさんある椅子から、スッと立ち上がった川本の顔を見つけると、涙が出そうになった。


母親に会釈をする川本に、母親がお礼の言葉を言う。


「ごめんな。迷惑かけて。」


力なく言う私に、川本は笑顔で言う。


「大したことなくて良かったぁ。」


「ありがとう。」



私は精一杯感謝の気持ちを込めた。


病院の近くに住む川本は、颯爽と帰って行き、私は母の車に乗り込んだ。


私は、助手席に座り、母の顔を見ていた。


さっきまで、笑顔で川本に話していた母の表情は、車に乗った時から、急に曇っていった。


家までの車中の母は、無言だった。


私が心配をかけたから?

彼氏がいるのを知ったから?


答えは、出ないままだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――



ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、

純粋な時期も!ございました。

この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、

遥か昔の話をひっぱり出します。

たった1人の人しか見えなかった。

あの頃。思い出しますとも。


このお話は、中学3年生頃のお話です。

少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。


――――――――――――――――――――――――――――――――



「初恋~二度と泣かない。~」





第10話 欲しい言葉。



冬休みが明けた。


私立の受験まで後1ヵ月を切り、本命の受験までは、1ヵ月半となった。


勉強は、意外と思うように進んだが、

私の本命の高校は、専門性のある学校なだけに、実技の試験がある。


私の場合は、デッサンの試験。

だからか、中々不安が拭えない。


でも、I高に行けば・・・川本と近くにいられる。


「おい!」


相変わらずな大きな、よく通る声に、私は笑顔で答えた。


「どうしたん?今、勉強してるんですけど。」


「俺もしてるねん。ここ教えて!」


手を合わせる川本を見て、私は川本の席に向かった。


川本も必死に勉強している様だった。


「一緒の日やな試験。終わったら駅で待ってるわ。」


「うん。私の方が早かったら、待ってる。」


「頑張って、受かろうな!」


その言葉が、嬉しくて、この先も一緒に入れると本気で思った。



お互い、部活がなくなり、毎日一緒に帰れるようになった。

離れ離れになる寂しさよりも、近くの高校を受けるということが楽しみになっていた。



これからも、ずっと一緒に帰る。

それだけで良い。



「あっ!弁当忘れてきた!」


川本は、校門を出た瞬間、思い出したように叫んだ。


「腐るで!取っておいで。待ってるし。」


駆け足で教室へ戻る川本の背中を見ると、また背が伸びたように感じた。

こんなことを言うと、また、「おかんか!」と言われるだろうから、言わないでおこう。


校門の前の柵に寄りかかり、私は手袋をはめた。

白い息と、耳を抜ける風に、私はより寒さを感じた。



「川本さんと別れてください。」


急に飛び込んできた言葉を、私は上手く拾うことができなかった。

振り返ると、クリスマスイヴの日見た、あの可愛らしい顔だった。


「え?」


「川本さんと別れてください。」


「いや。あの。」


動揺して、何も言葉がでない。


「私の方が川本さんの事好きですし、私の方が似合ってると思います。」


うんうん。

思わず頷いてしまう程、彼女は可愛い。


「ごめんなさい。別れません。」


それだけ言い、私は、歩き出した。


「おい!」


川本の声が響き、私は振り返った。


川本の腕をしっかりと掴んでいる彼女。

私は、どうすればいいんだろう。


また、くるっと身体の向きを変え、私は歩きだした。

近づいてくる足音に期待しながら。


「待てって。」


「ごめん。どうしたらいいんかわからんくって。」


「帰るぞ。」


ニコっと笑った顔が、とても優しかった。

川本は、背後からの視線を知っているくせに、私の手を握った。


「手袋嫌やー。いらんやん。」


そう言い、川本は、私の手袋を奪った。


「ありがとう。」



いつも通りの帰り道。

歩道橋のてっぺん。


「これからも、一緒に帰ろうな。」


同じ事を考えていてくれた。

どうして、私の欲しい言葉をこの人はいつもくれるんだろう。


「うん。」



繋いだ手が不意に離れた。

その瞬間。


川本の顔が目の前にあった。

私は、目を閉じる間もなく、川本の長いまつげを見ていた。


初めてのキスは、苦しかった。

胸の鼓動が激しくて、呼吸ができなかった。


唇が離れても、すぐそこにある胸。

私は、川本の手を握り、その胸に身体を預け、顔を埋めた。


顔がきっとすごく赤いだろうから。



――――――――――――――――――――――――――――――――