ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、

純粋な時期も!ございました。

この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、

遥か昔の話をひっぱり出します。

たった1人の人しか見えなかった。

あの頃。思い出しますとも。


このお話は、中学3年生頃のお話です。

少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。


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「初恋~二度と泣かない~」







第4話 鼻をすすり答えた君。



中学生の恋は、良くも悪くも一日中相手の事を考える事ができる。


少しの変化に、一喜一憂。



私は、初めて恋をした。

そして、その日から、とても泣き虫になった。



部活を終えた私は、バスケ部の練習が終わるのを待っていた。


体育館の扉は開きっぱなしで、ドンドンというボールの音や、シューズと床の摩擦音、軋むゴールの音が、外まで響いていた。


1時間も待っていたのに、川本が体育館を出た時、私はまだ緊張していた。



「三山!どうしたん?」


「覘いてた。」


ハハッと声変わりを終えた川本は笑った。


「帰ろうか。」


色んな話をした。

でも、覚えていなかった。


私は、頭の中がいっぱいだった。


今日、川本に告白しようと思っていた。

何て言おうと考えてきたのに、上手く整理できなかった。


家の近くの公園までたどり着いてしまい、私は焦っていた。


「川本!」


むやみに大きな声を出してしまい、恥ずかしくなった。


「ん?どうしたん?」


「あ、あんな、私・・・川本の事が好きやねん。」


完全に、目をつぶってしまった。

そして、目を開けれなくなった。


川本の顔が見れない。

怖い。


「ありがとう。」


鈍感な私でもわかる程、その言葉は良い「ありがとう」ではなかった。


目をそっと開け、川本の顔を見た。


「ごめん。今は付き合われへんねん。ごめん。」



後のことは、覚えていない。

いや、その日が1日無かったかの様だった。


そうであって欲しかった。



目が覚めてしまった次の日。


だらだら用意をしているフリをして、咳をしてみると、母親に早く行きなさいと怒られた。


しまいには、アユが迎えに来てしまい、私のズル休み計画はつぶれた。



フラれた次の日なのにどうしてだろう。


私が教室の扉を開け入ろうとした時、川本が教室を出ようと立っていた。



私は、笑顔で「おはよう。」と明るく言った。


川本は、安心したような顔をしていた。



私は、少し強くなったような気がした。

もうすぐ夏休み。


川本にはフラれたけど、落ち込んでいても仕方がない。



私は、さっそく休憩時間に、川本の席へと向かった。


「なぁ、これからも友だちでいようなぁ。それに、あの賭けは続行やから!」


「おう!わかった。ありがとう。」



これでいいんだ。

あっさり振られた私は、初めての告白をした私は、自ら友だちと言い切ってしまった私は・・・


これからは、期待をせずにいられる。


逃げたのかもしれない。


でも、いいんだ。



帰り道、すこし温かい風が吹いた。

湿気と木々の匂い。


夏を感じた。



歩道橋を降りると、人影があった。


前に、川本が告白されていた場所。

あの頃はまだ、恋をしていなかった。



どうしてだろう。

川本が、目の前に居る。


「待ってた。」


そう言った顔は、悲しそうな笑顔だった。


「どうしたん?」


私は、めいいっぱい明るく言った。



「ごめんな。」


川本は、鼻をすすっていた。


「俺、バスケの代表に選ばれてん。」


「すごいやん。」


「練習が、学校だけじゃなくて、そっちでも増えるねん。」


バスケの事はわからないが、どうも部活を引退した後に、全国大会のようなものがあり、その代表?かなんかに選ばれたのだと聞いた。



「だから・・・ごめん。」


川本は、何度も鼻をすすっていた。


昨日の返事では、足りないと思ったのか、川本は何度も謝った。



「もういいよ。練習頑張りやぁ。私かって部活も勉強も頑張るから!」


恋愛も頑張る。

そうは、言えなかった。


「うん。」


力なく言う川本は、いつもと様子が違っていた。


「そんな気にせんでいいよ。友だちでおろうや!」


「テストの点数賭けてたの、俺が負けたら何して欲しい?」


告白する前に、テストの点数を競う約束をしていた。

負けたほうが、一つ言うこときくことという、すごく曖昧な賭け。


「最初から負けること考えてたらあかんやん!」


「せやな!」


ようやく笑った川本の肩を叩いて、私は、また笑った。


「送ってってー。」


「甘えんな!」


「夜道は危ないやん。」


そんなやり取りをしているうちに、家の前に着いてしまった。


「じゃ、また明日!」


大きく上げた手を見て、初めて送ってもらった日を思い出した。




私が、初めて好きになった人は、格好よくて、“いい奴”です。



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