ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、

純粋な時期も!ございました。

この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、

遥か昔の話をひっぱり出します。

たった1人の人しか見えなかった。

あの頃。思い出しますとも。


このお話は、中学3年生頃のお話です。

少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。


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「初恋~二度と泣かない~」




第3話 会話の続き。



私の背がまだ140㎝ちょっとしかなかった、中学1年生の頃。



私は、川本と話したことがあった。


1年の時、私は1組で川本は2組だった。


体育の授業前、女子は2組で男子は1組に移動して体操服に着替えていた。


あの日、私は体育館シューズを忘れ、必死に走った。

はぁーはぁーと息を切らし、教室に戻ると、川本が1人着替えていた。


私は、そのまま身体の向きを変えて、今入ったばかりの教室を出た。


「おい!三山!」


私は、くるっと周り、また教室の扉を開けた。


「体育館シューズ取っていい?」


私は、下を向いたまま、小さな声で聞いた。


体育館シューズを取り、教室を出ようとすると、背中の方から声がした。



「なぁ、三山って好きなやつおるん?」


「おらん。川本は?」


「おる。」


「そっか。」


初めての会話は、そんな感じだった。



そして、それから中学3年で同じクラスになるまで話したことが無かった。




理科室で、張り切って実験をしている屈託の無い笑い顔。


目の前にいる川本を見つめながら思った。



ーあの日の会話の続きがしたい。ー



あの時、誰を好きだったんだろう?

今、同じ質問をされたら、私は、「おるよ。」と言えるだろうか?



「ふぅ、疲れた。」


川本は、実験に飽きたのか、私の横の席に座った。


「何に?」


「今見てたやろ?俺、実験してたやん!お前、何もしてへんやろー。」



私は、聞いてみることにした。


「なぁ。中1の時話したの覚えてる?」


「いきなりどうしたん?お前が俺の裸を見た話か?」



声がでかいよ。川本くん。

一瞬で、クラスの女子の顔が曇った。


「違うし、見てへんし。もういい。」


「何やねん?言うてみ!」


「もういい。」


そう言って私は、多分赤くなっているであろう顔を隠し、実験!実験!と言い席を立った。



覚えてた。

覚えてたー!


それだけのことで、私の心は舞い上がっていた。



授業が終わり、掃除の時間。

私と川本は音楽室にいた。


「さっきの話の続きは何なん?」


しつこく聞いてくる川本に、私は言った。


「1年の時の話の続きは何なん?」


驚いた顔をした川本は、そのまま黙ってしまった。


私は無言のまま、ゴミ箱を持って焼却炉へ向かった。


カラになったゴミ箱を持って、音楽室に戻ると川本がまだ居た。


そして気まずい空気が流れていた。

丁度、隣のクラスの佳代ちゃんが川本に告白した所だった。


「ごめん!」


私は、両手を合わせて、謝りながら音楽室を出た。


佳代ちゃんも、川本のこと好きなんだ。

佳代ちゃん可愛いしなぁ、性格もいいしなぁ・・・


絶対、二人は付き合うだろう。



そう思ったら、突然涙が溢れてきた。

私は、教室に鞄を取りに行き、廊下に飛び出した。



「こらっ!どこ行くの!」


音楽の高橋先生は私を呼び止めた。

高橋先生は、私のクラスの担任でもあった。


私の泣き顔を見た高橋先生は、少し驚いた後、微笑んだ。


「明日、笑って学校に来てくれる?」



私は、声にならず何度も何度も頷いた。


「気をつけて帰りなさい。」


また微笑んで、高橋先生は手を軽く振った。


川本の気配を近くに感じたが、私は一目散に帰った。



次の日も、また次の日も、私は川本と話さなかった。



そして、その次の日の休み時間。

私の目の前が黒一色になった。


川本が私の前の席にどかっと座ったのだ。


大きな背中。


くるっと、振り返った川本は、私の目をじっと見つめた。


真剣な顔が少し怖かった。

でも、その分ドキドキしていた。


「1年の時の話の続きせーへん?」


私は、どうすればいいのかわからなかった。


「ずっと、三山としゃべりたかってん。」


「ごめん。」


「違うよ。いや違うこともないけど、1年の時も。」


「私の事知ってたん?」


「うん。入学式の日、お前嬉しそうに桜の花びら集めてたやろ?」


「そんなんしたっけなぁ。」


「してたよ。背が小さくて、どう見ても小学生みたいやったけど。でも、それが印象強くて、しゃべりたいって思っててん。」


「それで、あの日?」


「うん。何聞いていいかわからんくて。」


「あの時、誰のこと好きやったん?」


ドキドキしながら、川本の答えを待った。

少しの沈黙の後、川本は立ち上がった。


「この話の続きは、また今度。」



えー。


でも、聞かなくて良かったかもしれない。

また落ち込むかもしれないし。


でも、また話ができる。


それだけで、嬉しくなった。



ドラマの様に、「つづく」で終わる会話。


私はまだ、恋愛にも最終回があることを知らなかった。


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