2020年4月。

僕は、ある会社を立ち上げ、その代表取締役になった。

とはいっても、自分で起業したいと思っていたわけではない。

当時は会社員として働いていて、会社からの指示で設立し、僕が代表になった。

経営について詳しく知っていたわけでもない。

それでも「代表取締役」という肩書きがついた。

そして、僕は金融機関から合計2,500万円の融資を受けることになり、連帯保証人になった。


その時の僕は、

「会社のために必要なことなんだ」

くらいに考えていた。

まさか数年後、この保証が自分自身に重くのしかかってくるなんて、考えてもいなかった。


この時の僕はまだ、自己破産という言葉すら、自分とは無縁のものだと思っていた。

――第三話へ続く。