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戀歌

三十一文字の戀物語

雲隠れ 今宵の月は意地悪か 光見せずに そっと輝く


陽の光を浴び
月は そっと輝いている

地球に雨が降っていても
地球に闇が 訪れていても

変わらずに そこで輝いている

その 想いを抱いたまま


(再)

曇天を再出発と決めたのは 青が哀しき色とぞ見ゆる


秋の青空は
寂しすぎるから

全力でそろそろ我を許さぬと 櫛の歯欠けて髪も梳かせぬ



 「無理」と言う言葉を2回聞きし夜 蝋燭の灯の音立て消ゆる



その日は
誕生日だったの



膝抱え 途方にくれるひとり夜は 甘く香りし桃になりたし


あの まるまるとして
ふわふわの毛につつまれて

いい匂いのする
桃になれたら

あなたの手の中に ぴったり おさまりますか?


(再)

ぽたぽたと音たて落つるこの涙 誰に見られるわけもないのに


君想う痛みを愛に変えるよう南天の葉の色づくを見ゆ




歩道橋の頂上の風に 肩の荷を さらわれ視線上げ降り始む


風の強い朝だった
いつもは渡らない歩道橋を登った

歩道橋が揺れるほどの強風の中で
ふいに肩の重荷が解けていくのがわかった

何を期待していたのか
何を待ち続けていたのか
何を恐れていたのか

くっきりとした瞬間。


ほんの一瞬の出来事が
永遠になる時がある。

空はとても遠くて青くて澄んでいた


超えられぬ夜(よ)に思い知る  愛なんて吹けば飛ぶよと向けられし背中


帰らないで

とは
とうとう言えなかった