ニジェール河の流れに逆らう様に、西から東へと進路を取る。

川沿いの町では夕暮れ時になると暑さも和らぎ、
過ごしやすい気温の中に適度な湿気も混ざる。

乾期で水かさが減っているとは言え、大河であるニジェール河には
何艘もの小舟が浮かび、運搬船は頻繁に対岸を行き交う。

バマコから200km程東へ進んだ『セゴー』と言う川沿いの町は、
わりと規模も大きく、観光客の姿も何人か見かける事が出来る。

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セゴーの船着き場に停泊している大きな船は、
雨期の間に運行します。


ハイシーズンではないにしろ、観光地の一つに変わりはなく、
ホテルや現地ツアーを斡旋しようとする客引きが群れており、
それらを上手に活用するのも、適当にあしらうのも困難で、
何が正しく間違っているのかも解らぬままに適当な宿をとった。

船着き場や土産物屋付近では、あらゆる角度から声をかけられ、
その声に立ち止まるようならば次々とモノを押し売りさせられる。

興味があって見たいものがあっても、ただみる事は不可能で、
あれこれとモノを売りつけようとして来るので正直うっとおしい。

景色をゆっくり見て楽しむ。と、言う当たり前の行動も、
ココでは難しく、逆にストレスがドンドン蓄積される。

マイペースに自転車旅を続ける僕にとって、
自分のペースを乱されるのは堪え難く、そしてしんどい。

そんな客引き達から逃れる為に、あえて船乗りの誘いにのり、
夕暮れ時に対岸までのショートトリップをする事にした。

船の上にいればプライベートな時間が確保出来るはずである。

そんなわけで、安いのか高いのかわらない値段の、
ショートトリップを楽しむ事になった。

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川幅2kmくらいはあるニジェール河をゆっくりと滑る船は、
涼しく静かで、溜まっていた疲れが消えてゆくのを感じる。

対岸の村には船頭さんの家があるらしく、あれこれと案内される。

観光客はツーリストタックスを払わなくては入れない村もあるが、
この村は少し変わっており、お金の代わりに「コーラ」と、言う
植物の実を先に何個か買って、それを道行く人に配る。

意外に値段が高いのは少々ぼったくられているのかもしれないが、
高価なものらしく、勝手が全く分からない以上従うほか成す術は無い。

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5歳くらいの子供も自在に船を操って遊びます。
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コーラの実。渋柿の100倍は苦い。因に飲み物のコーラは、
この実のエキスを使用した事によって付けられました。


タバコの様な嗜好品であり、軽い覚醒作用もあるらしく、
特にお年寄りは好んでコーラの実をかじる。

好き嫌いが分かれるようで、僕も一口かじってみたのだが、
かじった瞬間にあまりの渋さに吐き出したら、本気で笑われた。

村では女性達が夕飯の支度をはじめており、
老人達は何を考えているのか、ぼんやりと時間を過ごし、
子供達は元気に走り回って遊んでいる。

そんな、ココでは当たり前の日常を、ただ眺めては
村を一通り回り、また別の村へ、そして日が暮れたら帰る。

セゴーへ戻る船では、「船頭やらせてくれ~」と頼んだら、
「やってみな。」と、何ともいい加減にやらせてもらう事になった。

なんでも言ってみるもんだな~。と、思いながら船を力一杯漕いだ。

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翌日からは『モプティ』と、言う町を目指して再び走り出した。

もう見慣れた景色を何度も通り過ぎ、小さな村々に立ち寄りながら
約400kmの距離を3日で一気に走った。(最後の一日は途中ヒッチハイク)

モプティでは仕事も入った事もあり、体を休める意味でもゆっくり過ごす。

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モプティの喧噪。
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船着き場では絶えず人の叫び声が聞こえます。

デザインの仕事をしては、空いている時間に周辺の村々を自転車で巡る。

マリに入って目にする様になった「土のモスク」は興味深く、
イスラム教のモノとは思えない独特なフォルムをしている。

小さな町にも立派な土のモスクが建ち、『ジェンネ』と、言う町にある、
世界遺産の土のモスクが有名だが、作られた年代が古いというだけで、
個人的には、マイナーな村にあるモスクの方が見ていて興味深い。
(ジェンネはモプティからバスとタクシーを乗り継いで日帰りで行ってきましたが、自称ガイドや客引きがしつこすぎて、行き帰りに時間がかかったものの、現地には30分くらいしか滞在しませんでした。個人差はありますが、正直行かなけりゃ良かったと後悔しました。)

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ジェンネの土のモスク。入るには警備員に賄賂を払ってこっそり入るしかない。ぼったくって来るのと、自称ガイドがしつこすぎて腹が立ち、入らないで帰ってきました。
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ジェンネから戻った時に乗った乗り合いタクシー。
凄まじいボロさで、良く走っているな~。と、感心します。

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近くの村を自転車で散策中。こぶ牛の群れ。
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小さな村にあるモスクは生活風景になじむ。
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気ままなモプティ滞在も数日が過ぎ、次の目的地に向けて走り出す。

マリでは最後の観光目的地『ドゴンカントリー』に立ち寄った後、
次の国『ブルキナファソ』に入国する予定だ。

マリの中で最も行きたかった『ドゴン』では、
どんな感動的な体験が出来るのだろうか?

「宇宙人が作った。」とも言われている『ドゴンカントリー』に、
自転車にて時速20km前後で降り立とう。と、思うのだった。

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