中東の冬が終わりを告げようとする3月のはじめ、
突然の雪に見舞われたペトラを抜けて紅海へと辿り着く。

冬と春の間に吹きつける風は乾いた砂を巻上げ、
時には砂嵐となってシナイ半島を駆け抜ける。

ヨルダン最南部の『アカバ』はヨルダンで唯一海に面しており、
エジプトの小さな港町『ヌエバア』まで、毎日フェリーが運航されている。

現在は観光地や保養地として栄えている『アカバ』の町は
6000年以上の古い歴史を持ち多くの遺跡が残る。
温暖でのどかな『アカバ』に少々滞在しても良かったのだが、
午前中に街に着いてしまい、当日のフェリーに乗れそうだったので、
町から南へ10km離れた港まで走りチケットを70ドルで購入した。

高速フェリーには僕の他にも多くの旅人が乗り込み、
ほぼ定刻通りの午後1時過ぎに出航した。

船は猛スピードでアカバ湾を突き進み、
対岸のシナイ半島があっという間に目の前に迫った。

約二時間で『ヌエバア』に着くと一斉に皆が陸へ降りる。

入国審査、ビザ申請、荷物検査を済ませ無事入国した時には
午後4時を回っており太陽はうっすらと赤く変わっていた。
先を急いでいたのだが、入国ゲートを抜けるとすぐにタクシー運転手
から一斉に声をかけられ、自転車を取り囲まれる。
そんな突然の慌しさの中、同じルートを旅していて何度も出会った
日本人とも再び別れ、更に再び『ダハブ』で会う事を約束した。

『ヌエバア』から『ダハブ』までは約80kmの距離なのだが、
海から突然突き出たような岩山が延々とシナイ半島を覆い、
勾配のきつい山道が続く為に、まずは日が暮れるまで走り、
適当なところで野宿することにした。

自転車を押して上る坂道は20km登っても下り坂には変わらず、
日が暮れた7時にテントを張って休んだ。

黒が透き通って見えるような星空は、
はっきりと翌日の晴れを予感させた。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-ダハブ01


朝早くに目が覚めた僕は一気に『ダハブ』を目指しペダルをこぎ、
下り坂が続く残りの60kmを二時間半で走り抜けた。

幾重にも重なる赤茶けた岩山をジグザグに下りきると、
何色もの青が複雑に混ざり合った海が広がり、
ビーチに沿ってダハブの街が数キロに渡って広がる。

『ダハブ』には世界中から多くの旅行者が集まっている。

世界でも有数の透明度を誇る紅海に面したシナイ半島には、
多くの有名なリゾート地が点在し、近年はそのほとんどが
高級リゾート化されつつあるのだが、ここ『ダハブ』は現在も
物価の上昇はあまり見られず、格安で滞在が可能である。

その為か世界中のバックパッカーの溜まり場として、
今も尚不動の地位を保っているのだ。

中東を旅して知り合った仲間も一同に集結し、
長くてゆるやかな『ダハブ』生活がスタートした。

一年を通して降水量の極端に少ない町は、
この季節も乾いた風が緩やかに吹き抜け、
冷え込みも少なく一日中暖かい。

この町をあれこれと語るのも面倒になるほど、
『ダハブ』は人の感覚を鈍らせ腰を重くさせる。

そして旅人は何時しか時間を忘れ、
この町にとりつかれ多くに時間を過ごす。

僕も少々長くここで休もうと思うのだが、
ただダラダラと日々を過ごすのは性に合わず、
世界でも有数のダイビングスポットでもあるという事で、
ダイビングのライセンスを取得することにした。

そして話は急に飛ぶのだが、
本日オープンウォーターのライセンスを取得した。

明日からはアドバンスの授業が始まる。

人生初ダイビングを経験し、
苦手だった海も克服できた。

中東の冬が終わる頃には、
きっと海の魅力に溺れているだろう。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-ダハブ02

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一眼レフのデジカメが無くなりました。。。
そのうちカイロ辺りで買います。