分厚い雲が山脈に絡みつき離れようとしない。
雨が止むのを待ち、レバノンから再度シリアへと向かう。

国境線上にはレバノン山脈とアンチレバノン山脈が並んで南北へと伸びる。
『ベイルート』からダマスカスへと向かう際には、まずレバノン山脈を越え、
盆地に広がる『シュトーラ』と、言う町を経由する必要があった。
ぎりぎり雨が降らない天気ではあるが、山を上るにつれ霧が濃くなり、
一時は走行不可能なほど真っ白な世界に包まれた。
2日をかけて『ダマスカス』までの約150kmを走る予定を組み、
初日は『シュトーラ』の近く『ザハリィ』に宿を取る。
途中にあるレバノンワインの名産地でもある『クサラ』に寄り、
『シャトークサラ』というワイン工場を見学した。
1974年までイエズス会が運営していたこの工場には、
全長2kmも続くナチュラルセラーがあり、ワインを熟成させる
自然洞窟としては世界六第洞窟の一つとされている。
工場見学には無料で英語のガイドが付き、ワインの試飲も可能だ。
きれいなお姉さんに洞窟の中を案内され、その後あれこれと進められ
ワインを試飲したのだが、温度、湿度の管理が徹底され、保存状況が
良い為だろう、驚く程どのワインもおいしく個性的であった。

僕は以前から赤ワインが好きで、東京にいる時には週10本近く飲んでいた。
様々なワインを飲んではいるものの、初めて飲むレバノンワインのおいしさに、
併設されているワインショップですぐさま2本のワインを購入する。
ワイン工場の見学が終わり外へ出ると、目を疑う程の大雨が降っていた。
「おそらく今日はこのまま雨が止まないだろう。」と思い
雨の中5km先の目的地『ザハリィ』までびしょ濡れになり走る。
静かな山間にある町は、レバノン人が気軽に訪れる事の出来る観光地であり、
夏には避暑地として賑わうのだが、今は本来の静けさに包まれていた。
『Hotel AKL』と言うこの町では最も安い旧家を改装した趣のあるホテルにも
僕以外には客がおらず、静かな部屋の中に置かれたストーブで服を乾かし、
のんびりとレバノンワインを飲んでは夜を過ごした。



翌日も雨が降りそうな天気ではあったのだが思い切って進むことにした。
が、しかし走り出して30分程で雨が降り出す。
雨宿りを繰り返し、少しずつ進むが予定の何倍も時間がかかってしまった。
雨が止む頃にようやくアンチレバノン山脈を少し上ったレバノン国境へと着く。
10時に宿を出てわずか約20kmの距離を走るのに3時間以上もかかり、
手続きを済ませ出国した時にはすでに2時を回っていた。
更にシリア国境までの緩衝地帯は上り坂が続き、標高は1300mに達する。
辺りにはうっすらと雪も残り流石に肌寒く感じる。
シリア国境にあるカフェで休憩し、ビザ申請後シリアへと入国した時には
4時を過ぎ、明るいうちにたどり着けそうも無いが、取り合えず先を急いだ。
散々上っただけあり快適な下り坂が続くのだが、汗が冷えて凍える程寒い。

それでも何とか最後の峠を越え無事に『ダマスカス』へと到着した。
クラクションが挨拶代わりの様に鳴らされ続ける。
4000年以上の歴史を持つ古都『ダマスカス』は、
悠久の歴史と現代とが喧騒の中に混沌と共存していた。
レバノンではキリスト教徒の割合が少々多く感じたのだが、
シリアでは敬虔なムスリムの割合が非常に多く、
異国情緒溢れた雰囲気を味わう事が出来る。
一夜明け、疲れた体に鞭をうち旧市街へと足を運んだ。
世界遺産にも登録されている古代都市『ダマスカス』に存在する
城壁に囲まれた旧市街は『オールド・ダマスカス』と呼ばれ、
世界最古のモスク『ウマイヤド・モスク』が姿を残している。
今までのイスラムの旧市街同様に複雑に細い路地が入り組んでは、
所狭しと商店が並び、多くの人が型をぶつけながら歩いている。
崩れかけそうな家々は互いを支えあい、絶妙なバランスを保ち続ける。
他の旧市街と異なる点と言えば、街の規模が大きすぎると言う事。
本当に迷路に迷い込み、しばらく旧市街から出られなくなり、
久しぶりに何とも言えない不安を感じてしまった。
まだ未定だが、ビザの更新や申請などやる事もあるので、
ここ『ダマスカス』で数日を過ごしヨルダンへと向かう。
中東の雰囲気にも大分慣れ、
意外にも今まで以上に生活しやすい。
急ぐ事無くシリアを堪能し文化を体感しようと思うのだが、
巨大な街を見て回るのには多くの時間を費やしそうだ。







↑ムスリムは写真撮影を極度に嫌がる為に、
風景や町を撮影する際にも細心の注意とマナーが必要。
(しかし何故か写メを撮りあう姿をよく目にする)

↑宿泊中のアル・ラビホテルの中庭。

↑再度シリア入国。
国境でのビザ申請で48時間のトランジットビザ(10$)を取得。
普通の一ヶ月ツーリストビザは25$程度かかるのですが、
トランジットビザを各地のイミグレーションオフィスで延長すると、
プラス100円程度で一ヶ月有効に更新する事が可能です。
と、言うわけで明日延長の手続きに行って参ります。
雨が止むのを待ち、レバノンから再度シリアへと向かう。

国境線上にはレバノン山脈とアンチレバノン山脈が並んで南北へと伸びる。
『ベイルート』からダマスカスへと向かう際には、まずレバノン山脈を越え、
盆地に広がる『シュトーラ』と、言う町を経由する必要があった。
ぎりぎり雨が降らない天気ではあるが、山を上るにつれ霧が濃くなり、
一時は走行不可能なほど真っ白な世界に包まれた。
2日をかけて『ダマスカス』までの約150kmを走る予定を組み、
初日は『シュトーラ』の近く『ザハリィ』に宿を取る。
途中にあるレバノンワインの名産地でもある『クサラ』に寄り、
『シャトークサラ』というワイン工場を見学した。
1974年までイエズス会が運営していたこの工場には、
全長2kmも続くナチュラルセラーがあり、ワインを熟成させる
自然洞窟としては世界六第洞窟の一つとされている。
工場見学には無料で英語のガイドが付き、ワインの試飲も可能だ。
きれいなお姉さんに洞窟の中を案内され、その後あれこれと進められ
ワインを試飲したのだが、温度、湿度の管理が徹底され、保存状況が
良い為だろう、驚く程どのワインもおいしく個性的であった。

僕は以前から赤ワインが好きで、東京にいる時には週10本近く飲んでいた。
様々なワインを飲んではいるものの、初めて飲むレバノンワインのおいしさに、
併設されているワインショップですぐさま2本のワインを購入する。
ワイン工場の見学が終わり外へ出ると、目を疑う程の大雨が降っていた。
「おそらく今日はこのまま雨が止まないだろう。」と思い
雨の中5km先の目的地『ザハリィ』までびしょ濡れになり走る。
静かな山間にある町は、レバノン人が気軽に訪れる事の出来る観光地であり、
夏には避暑地として賑わうのだが、今は本来の静けさに包まれていた。
『Hotel AKL』と言うこの町では最も安い旧家を改装した趣のあるホテルにも
僕以外には客がおらず、静かな部屋の中に置かれたストーブで服を乾かし、
のんびりとレバノンワインを飲んでは夜を過ごした。



翌日も雨が降りそうな天気ではあったのだが思い切って進むことにした。
が、しかし走り出して30分程で雨が降り出す。
雨宿りを繰り返し、少しずつ進むが予定の何倍も時間がかかってしまった。
雨が止む頃にようやくアンチレバノン山脈を少し上ったレバノン国境へと着く。
10時に宿を出てわずか約20kmの距離を走るのに3時間以上もかかり、
手続きを済ませ出国した時にはすでに2時を回っていた。
更にシリア国境までの緩衝地帯は上り坂が続き、標高は1300mに達する。
辺りにはうっすらと雪も残り流石に肌寒く感じる。
シリア国境にあるカフェで休憩し、ビザ申請後シリアへと入国した時には
4時を過ぎ、明るいうちにたどり着けそうも無いが、取り合えず先を急いだ。
散々上っただけあり快適な下り坂が続くのだが、汗が冷えて凍える程寒い。

それでも何とか最後の峠を越え無事に『ダマスカス』へと到着した。
クラクションが挨拶代わりの様に鳴らされ続ける。
4000年以上の歴史を持つ古都『ダマスカス』は、
悠久の歴史と現代とが喧騒の中に混沌と共存していた。
レバノンではキリスト教徒の割合が少々多く感じたのだが、
シリアでは敬虔なムスリムの割合が非常に多く、
異国情緒溢れた雰囲気を味わう事が出来る。
一夜明け、疲れた体に鞭をうち旧市街へと足を運んだ。
世界遺産にも登録されている古代都市『ダマスカス』に存在する
城壁に囲まれた旧市街は『オールド・ダマスカス』と呼ばれ、
世界最古のモスク『ウマイヤド・モスク』が姿を残している。
今までのイスラムの旧市街同様に複雑に細い路地が入り組んでは、
所狭しと商店が並び、多くの人が型をぶつけながら歩いている。
崩れかけそうな家々は互いを支えあい、絶妙なバランスを保ち続ける。
他の旧市街と異なる点と言えば、街の規模が大きすぎると言う事。
本当に迷路に迷い込み、しばらく旧市街から出られなくなり、
久しぶりに何とも言えない不安を感じてしまった。
まだ未定だが、ビザの更新や申請などやる事もあるので、
ここ『ダマスカス』で数日を過ごしヨルダンへと向かう。
中東の雰囲気にも大分慣れ、
意外にも今まで以上に生活しやすい。
急ぐ事無くシリアを堪能し文化を体感しようと思うのだが、
巨大な街を見て回るのには多くの時間を費やしそうだ。







↑ムスリムは写真撮影を極度に嫌がる為に、
風景や町を撮影する際にも細心の注意とマナーが必要。
(しかし何故か写メを撮りあう姿をよく目にする)

↑宿泊中のアル・ラビホテルの中庭。
↑再度シリア入国。
国境でのビザ申請で48時間のトランジットビザ(10$)を取得。
普通の一ヶ月ツーリストビザは25$程度かかるのですが、
トランジットビザを各地のイミグレーションオフィスで延長すると、
プラス100円程度で一ヶ月有効に更新する事が可能です。
と、言うわけで明日延長の手続きに行って参ります。