
シリアを南北に延びるハイウェイをひたすらに南下する。
乾いた風は砂埃を巻き上げながら南から温かい風を運ぶ。
気温は日中15℃まで上がり、トルコでの寒さを忘れさせた。
シリアの人々は皆親切で、走っているとあちこちから声をかけられ、
たまに自転車を停めると食べ物や飲み物を旅人に分けてくれる。
少し風邪気味ではあったが好奇心に任せてペダルを漕ぎ続け、
『アレッポ』から更に南へ180kmの街『ホムス』に着いた。
途中『アレッポ』から『ハマ』と言う町までは約140kmあったのだが、
道が良かったせいか何とか走りきり夕方に着いたので2泊する。
古く大きな水車が象徴的な町は、町全体が公園のように落ち着き、
残された水車は朽ちながらも独特の味わいをかもしていた。


疲れた体を癒し次の日に『ハマ』を少し歩いて観光してみると、
イスラムの行事か何らかの祭りなのかは知らないのだが、
平日であったものの商店のほとんどがクローズしていた。

町をうろうろしていると「welcome!」と声をかけられては握手を交わす。
フレンドリーな国民性のシリア人はトルコ人の軽いノリとは異なり、
交わす言葉や表情や挨拶の最に右手を胸に当てる仕草などから、
他を受け入れる懐の深さと敬意を感じる事が出来る。
ネット環境が十分整っていないせいか外で遊ぶ子供も多く、
僕が歩いていると写真をせがまれたり、握手を交わすと手を握られ
彼らの輪に連れ込まれてはサッカーの頭数にされたりもする。
建物に囲まれた砂の空き地に適当な人数が集まっては、
空気の入っていない溝の磨り減ったサッカーボールを追いかける。
そう言えば、昔はこんな風にして遊んでいた事を思い出す。
一期一会であっても「今を楽しめればそれでよい。」とする彼らの
無邪気さからは、「遊び」と言うコミュニケーションには年齢も国籍も
宗教も人種も全く無意味なものだと、改めて実感させられた。



中東の国々は然程広くなく、僕はこれから一度レバノンへと足を運ぶ。
『ホムス』からレバノン国境までは約100kmの距離なのだが、
途中にシリア前半の最大の見所でもある『クラック・デ・シュバリエ』
と、言う12世紀に建てられた遺跡があり立ち寄ろうと思っている。
丘の上に作られた難攻不落の城は「天空の城」とも呼ばれ、
宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』のモデルにもされた。
昼夜の気温差が激しく温度調整が難しいこの季節。
風邪をこじらせない様に程々に先を急ぐのだった。






広場で座っていたら上の写真の子からゴソっと何かの実をもらいました。
食べ方は向日葵の種と同じですが、殻が硬いので難しいです。







↑日本では「シリアはテロ支援国家」と言う印象が強いと思いますが、
住んでいる人々は優しく質素でありながら豊かに暮らしています。
治安は非常に良く身の危険を感じる事はまずありません。
ネット環境がなかったので記事との時差がありますが、
また明日あたりに最新情報をアップします。