雨のイスタンブールに街行く人は少ない。
僕が泊まるホステルの8人部屋は毎日人が入れ替わる。
短期滞在の旅行者は時間を惜しみ雨の街を濡れながら歩き、
時間に余裕がある者は読書や映画を観て体を休める。

中央アジアやコーカサスで出会う旅人達に比べると、
トルコで会う旅人はちょっとした休暇で訪れる人達が多い。
あまり長期旅行者と接触することも少ない為か、
僕が自転車で来た事を話すと必要以上に驚いている。

そんな少し拍子抜けす様な平凡な日常の中で、
旅疲れた心身をゆっくり休めていると、
今までの道のりが夢だったのかと思えてしまう。

旅の記憶でもあり、ブログの他に書いている
『一日一行日記』を開きこれまでの記憶をたどる。
不思議とどの街の記憶も鮮明に残り、中国を走り
始めたのがつい最近の出来事のように、景色以外にも
その時覚えた感情までもがフラッシュバックする。

正直走り出し初日に上海を出た時には
「なんて事しようとしてるんだろう?
想像以上に果てしないな~ 」と、ぼやいた。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-雨のイスタンブール03


「笑いの割合が増えると争いの割合が減る。」

そんなテーマを掲げ旅立ったものの、予定通りに考えていた事が
進まず何度も焦りを感じた時もあった。
「遊びを通しての文化交流」とは以外に難しく、
言葉の壁、文化の壁、習慣の壁などを感じる事は無いのだが、
それよりも意外と「今の子供達は外で遊ばない」
と、言う現実を身をもって知る事も出来た。
中国、キルギス、カザフ、ウズベキ、コーカサス三国では
テレビゲームやインターネットゲームが遊びの主流であり、
日本の子供の方が外で遊んでいた印象すら受ける。

僕のような東洋人がカメラを持って街をふらふら歩いていると、
子供達は声をかけてきては写真をせがんでくる。
「みんなはいつも何して遊んでるの?」と聞くと大抵は
「ネットカフェで友達とネットゲームをするのが好き。」と言う。

それでもたまに外で遊んでいる子供達から遊びを学ぶ事もある。
ルールはほぼどれをとっても簡単で、○×ゲームや缶蹴りや
綾取り、ゴム跳びなど、僕等でも昔何度もやった物が多く、
国は変われど遊びの原型やルールは同じものが多い。
対戦を求められる時もあるのだが大抵は圧勝する。

子供の遊びは誰でも気軽に入り込めるように出来ていて、
簡単な合言葉でボーダーを越えることが出来る。
「一緒に遊びたい」と、言わぬまでも、その気持ちで十分なのだ。
子供達はいつだってその垣根を越えるパスを持っていて、
興味があるものなら貪欲にそれを楽しもうとする。

日本の剣玉やベーゴマにはかなり関心が集まり、
取り合いが続くほど皆夢中になっていた時もあった

ネットゲームであっても彼らなりの楽しみ方もあるのだろう。
楽しみは押し付けられるものではなく自分達で探すものであり、
外で遊ぶだけが遊びではなくなった今、コンテンツは重要ではなく、
「何であれ遊びは遊び。最も重要なのは楽しむ事である。」
と、考える方が無難なのかもしれない。

まだこの先どう変わって行くかは不明だが、
引き続きこのテーマは掲げて旅を続けようと思う。

ドアを開けて全力で駆け出していた頃を思い返すと、
今の僕は少し小さく纏まっているのかもしれない。

香港から半年でロンドンを目指した沢木耕太郎は
旅の途中で半年での到着は無理だと焦ったのだが、
「半年でロンドンに行かなければならない理由は
何一つないではないか。急ぐ必要はない。
行きたいところに行き、見たいものを見る。」
と、自分が歩む旅を改めて考え直した様に。

「時間がかかっても再び楽しみを求めて走り出そう。」と
雨のイスタンブールを眺め一人思うのだった。


自転車世界横断!!TERU-TERU project-雨のイスタンブール02

自転車世界横断!!TERU-TERU project-雨のイスタンブール01
↑アジア側にあるイスタンブールのサッカースタジアム。
自転車世界横断!!TERU-TERU project-雨のイスタンブール04



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これでこの先もしばらく安心!日本食はやはりおいしいです。