カスタモヌを出て山道を東へ走る。

トルコの山岳地帯は既に真冬の寒さが訪れていた。
周囲の草木には真っ白は霜が降り、冷たい霧が立ち込める
世界では視界が狭く、辺りを純白に包み込むのだった。

凍てつく空気の中雪が積もっているわけではないが、路面が
一部凍結している国道を恐る恐る一路『サフランボル』を目指した。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-雪山01

自転車世界横断!!TERU-TERU project-雪山02
↑カスタモヌを出てすぐの山道。真っ白な靄が視界をさえぎります。
初めは200m位先までは見えてたのですが、ひどい時は20m先
位しか視界がありません、あまりの寒さに身の危険を感じました。。。
自転車世界横断!!TERU-TERU project-雪山03


110kmの道のりを2日かけて『サフランボル』に到着する。

1994年に町並みが世界遺産に登録された『サフランボル』は
クルバン・バイラム(生贄祭)の最終日ということもあり、トルコ人
観光客の姿が多く、町には人が溢れ活気に満ちていた。

急な坂道にもびっしりと古い石畳が敷かれており、
自転車で走ると振動で何度も荷物が飛ばされそうになる。

『バストンジュ』と、言う宿に入りまずは少々疲れを癒した。

『サフランボル』の町は時が過ぎるのを忘れたかのように、
約200年前の町並みがほぼ変わらず今に残り続けている。
サフランの産地であった事から名付けられたこの町では、
官民一体となった景観保全が徹底され、新しい建物を建てる
事は禁止されており、古い家や建物を何度も修復しては
昔からの町並みを崩さずにその美しさを保っているのだった。

町をふらふらと歩くと、まだあちこちで建物の修復作業が行われ、
朽ちて崩れかけの古い家も多いのだが、それらにもいずれは
修復の手が入り再び中世トルコの息吹を取り戻すだろう。

近年では世界遺産がやたらと数を増やし始め、無理矢理に
世界中で観光化が進んでいるようにも思える。
ユネスコが認定する基準もかなり曖昧で、確かに認定された物の
全ては歴史的にも意味があり、自然遺産としても素晴らしい物ばかり
ではあるのだが、それに勝るとも劣らぬ見所はまだ数知れずある。
世界遺産として認定されたことにより、人が群れを成して訪れ、そこの
景観や町並み、更にはその土地の宗教観まで壊すケースもあるのだ。

周囲の建物に傷をつけない様に細心の注意を払って修復作業を行い、
官庁からの指示だけでなく、住民自らが景観保全に積極的に取り組む
『サフランボル』では激しく観光地化されることなく、静かに佇む山間の
古い集落の雰囲気を残している。

朽ちていく遺産を残すには並々ならぬ努力と信念を要する作業であり、
ましてや新しく作る以上の労力と時間を費やさなくてはならない。

『サフランボル』の夜に人はほとんど外を歩いておらず、
橙色の明かりがポツポツと燈るそんな町の路地を一人で
ふらふら歩く時、中世トルコの雰囲気をふと感じる事が出来る。

それは景観のみならず文化や歴史を守り続けようとした人々の
古くから伝わる「信念」を感じた瞬間なのかもしれない。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-サフランボル06

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↑サフランボルは小さな町で、2時間もあれば徒歩で一周できます。
少し休んだ後にもう一度黒海沿岸まで出ようかと画策中。(寒いので)