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戦争を知らない僕等と、身近に戦争を経験した『ゴリ』の人々。

今は平然と日常を過ごしカフェでお茶を飲み、道や川で遊ぶ子供達も、
つい先日までは眠れない夜を過ごし、不安で長い一日を過ごした事だろう。

かつて強大な権力を手にした独裁者スターリンを知らない人は少ない。
『トビリシ』から北西に90kmの所に彼が生まれた町『ゴリ』がある。

南オセチア自治州の独立問題で戦争が起きた際も爆撃を受け、
爆発テロもあり先日停戦したばかりだが、未だに傷跡は残る。

ニュースや新聞では多くの惨状を報じているものの、現状はどうなのか?
危険と言われる場所にわざわざ興味本位で行こうとは思わないが、
美しい『トビリシ』の近郊で行われた争いの跡を確かめるべく足を運ぶ。

バスはトビリシの北『バトゥミ』駅に隣接する市場内バスターミナルから
日中を通して頻発している。膝の痛みが取れない為にバスでの移動にし、
『ネリ・ダリの家』で知り合った日本人2人と一緒にマシュルートカーに
乗り未だ見ぬ『ゴリ』へと日帰りで行く事にした。

途中世界遺産に登録されている『ムツヘタ』の町を通り過ぎる。
山の頂上には6世紀に建てられたジュヴァリ教会がひっそりと佇み、
紅葉が美しく生える山の風景を走りぬけ、約1持間で『ゴリ』に到着した。

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バザール横のバスターミナルには、遠くトルコやグルジア各地からのバスが
何台も停車しており、降りるとコーカサス山脈から吹く風の冷たさを感じる。
すぐ南側には重厚な城壁が丘に沿って連なる古城が悠然と建っていた。

澄んだ風が一段と寒さを助長するのを感じ、冬支度をするべくまずは
『ゴリ』のバザールを覗いてみることにした。
青いシートが屋根代わりに敷かれたバラックのようなバザールには、
所狭しと店が並び、大半はコートやニット帽、マフラーや手袋など防寒具の
店が多く、これから本格的な冬を迎える前の準備をする人も多いせいか、
多くの人が集まり、つい最近まで争いがあった事など感じさせない程の
賑わいを見せている。僕は品定めをしながらダウンのジャケットを購入した。

町はあちこちが破壊されて、爆撃の跡もいまだ残っていると思っていたが、
実際はそのような跡を目にする事はなく、きれいに町は残り街路樹も立ち、
首都『トビリシ』にいる時よりも多くの人が明るく気軽に声をかけてくる。
少し拍子抜けするような感覚すらある、平和な日常がそこにはあった。

小道にある英語教室から出てくる若い学生は、「ハロー!」と声をかける。

町の地理が分からない僕達はスターリン像を目指すべく、通行人に道を
聞いては一つ一つ道の角を曲がり目的地を目指し歩いた。

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バザールから1kmも行かないところにそれはあり、巨大なソ連式の建物の
前に広がる広場の前に、現在でもその存在感を主張し権力を誇示するかの
様な姿を残すスターリンが高座の上に悠然と立っている。
6m近い高さの台に立つ、立派な髭を蓄えロングコートを纏ったスターリンは
指導者であり独裁者でもあった事がリアルに伝わる程圧倒的な威圧感を
放ち続けているようにも感じた。

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町の人々が皆どう思っているのかは不明だが、旧ソ連崩壊後に世界中の
スターリン像が崩されたにもかかわらず、『ゴリ』では未だ町の中心部に
建てられており、僕達のような旅人が訪れスターリン象の場所を聞いても、
全ての人が嫌な顔一つせず場所をすぐに教えてくれる事から、少なくとも
当時世界的に巨大な権力を握っていた人物を排出した町を誇りに思って
おり、心中は複雑ではあれ町の自慢でもあるのかもしれないと感じる。

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コーカサス地方にはあと少しで本格的な冬が訪れる。

ロシアから吹く北風は、万年雪をかぶる5000m級のコーカサス山脈を経て
グルジアにも流れ込み、厳しくも美しい冬へと景色を変える。

『ゴリ』の町で人々の表情を目の前にし、彼らが望む平和を想像する時、
燃える紅葉を白く染め上げる様に、争いの火が消える事を願う。

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↑百聞は一見に如かず。と、言う事をこの旅を通じて何度も思い知らされます。
一度『トビリシ』を後に、現在はアルメニアの首都『エレバン』に到着しました。
世界一美人が多いと言われる街で、本当に美人が多い事に驚かされてます。