克孜勒蘇柯爾克孜(クズルス・キルギス)自治州の中心地『アルトゥシュ』。
キルギス語で「二つの山の間」を意味する。
『アクス』を出て、砂漠と岩山に挟まれた道を3日で450kmを走り抜いた。

一日目
200km走った末、力尽きて野宿。
国道沿いの砂漠で蚊が群がる中テントを張り、
『アクス』で買っておいたマンゴーをむさぼるように食べる。
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2日目
130km走りト、レーラーハウスのような住宿に宿泊。
久々の安宿だったが難なく宿泊することが出来た。
オリンピックが終わったせいか、職質や取調べで止められる事は無くなり、
目にする公安員の数も激減し確実に警備は手薄になった。
砂嵐に巻き込まれて全身ジャリジャリとなり、
突風に舞う砂が鼻や口や目に入り死ぬかと思った。
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3日目
120kmを軽く走り夕方に『アルトゥシュ』へ到着。
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ウイグル族とキルギス族が住民の8割を占める『アルトゥシュ』は、
現在街の再開発が進んでおり、古い町並みが急速に壊されている。
『ウルムチ』の宿で出会った人からは、
「数年前に訪れた時、アルトゥシュは古いウイグル族の町並みが残る
情緒ある町だった。カシュガルへ行く際は是非立ち寄ったほうが良いよ。」
と、アドバイスを受けていた。

実際に足を踏み入れると、再開発の真っ最中なのだろう、
街のあちこちで工事が行われ、古い家や路地は崩されている。
いくつもの集合住宅が建設途中の姿で整然と並んでおり、
まだひっそりと残る古い路地も開発の手が伸びるのは時間の問題で、
数年後には全く新しい姿へと変貌する事を感じる。

『カシュガル』でも再開発の計画が実行に移されようとしている。
古い町並みが失われようとしている事が問題となっており、
僕自身もそんな情緒ある風景が減って行く事に寂しさを感じるのだが、
地震や火災など、災害発生時の安全面、衛生面などを考えると、
強ち否定ばかりする事も出来ないのかもしれない。とも思うのだ。

四川省での震災を見ても明らかなのだが、古い中国の建築物は
基礎もまともに組んでいない状態の、レンガや土壁で造られた
押せば倒れてしまうようなものがほとんどである。
屋根が落ちていたり、家全体が傾いていたりと、それほど大きな
地震でなくても大惨事へ繋がる事が予想される。

「情緒を楽しみたい。」「古い文化を残したい。」と、言う気持ちは、
もしかしたら一つのエゴなのだろうか?とも思う。
風景が変わったとしても、文化は継承されるだろうし、
時代が変われば文化も少しずつ変わる事は当然なのかもしれない。

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しかし一方でこの開発には別の裏政策があるとも言われている。

中国は92%を占める漢民族と、その他少数民族との確執が残っており、
ウイグル族やチベット族とは幾度となく争いを繰り返している。
また中国西部へ多くの漢民族が流入している事も問題になっている。
再開発を強行に推し進めるのは、中国の資本を中国西部に投資し、
イスラム文化を少しでも薄めようとする政策とも言われているのだ。

外見が変わり情報が溢れる事で文化が薄れる現象は十分に予想出来、
その最たるモデルケースは日本なのかもしれない。

こう言った現状を正直複雑に思うのだが、今は答えを見出せない。

数年後どういった結果がもたらされるのか?
文化を継承、発展する事とは何なのか?

『アルトゥシュ』の空に浮かぶクレーンのアームが、
ブロックを積み上げるように街を作り変える光景を眺めていた。

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↑考えて見ると『蘭州』を出た位から砂漠の中を砂埃にまみれひた走り、
旅路のほとんどは、褐色の光景が連続していたように思える。
そんな砂漠の西の果てへと辿り着き、『カシュガル』へと足を運ぶ