北京オリンピックにあわせるようにテロが頻発し、
新疆ウイグル自治区は更により一層緊張感が高まり、
事実カシュガルとクチャでは爆弾テロが連続した。

僕が走行を予定していたルート沿いで起きた2件のテロは
いずれもオリンピックに合わせ世界にアピールする形で行われた。

更に中央アジアを西へ抜けたコーカサス地方では
グルジアとロシアが戦争を始めようとしている。

アフリカでの内戦やイラクでの爆弾テロも未だにやむことがなく、
南米のエクアドルやコロンビアでは日常的に発砲事件が起きている。

これから進む先で完全に安全な地域などはあるのだろうか…?

人類の歴史は戦争の歴史とも言われるが、
21世紀になってもなお争いごとが絶えない。
日本は江戸時代まで続いていた内戦が終わり、
第二次大戦を最後に完全に平和な社会を築き上げ、
今となっては戦争やテロの怖さなどわかるもの者は少ない。
世界のどこかで起きている争いも自分とは無関係の事で、
同情はするものの、自分の身に何も起きることは無いと、
良い意味でも悪い意味でも「平和ボケ」に浸っている。

僕も日本に住んでいる頃はそんな日本人の一人だった。

しかしここにきて、大陸の内側へと飲み込まれるうちに、
これらの出来事は日常生活の自分の行動範囲の中で起こりうる、
危機感を覚える程の身近な問題なのだと実感する。

「笑顔の割合が増えると争いの割合が減る。」

今回の旅のテーマでもあり、理想でもある。
しかしそれは同時に「笑顔の割合が減ると争いの割合が増える。」
と、言う結果を暗示するのだ。

笑顔をテーマに旅をしている旅人は多く、子供や老人にレンズを向け
一瞬だけ見せる笑顔の写真をピックアップしている。
僕もアジアを旅していた時はそんな写真を多く撮っていたのだが、
そんな時、笑顔をフォルムとして撮るのではなく、
笑顔が生まれた背景やストーリーが分かるような、
レンズを経た自分と被写体の間に生まれる空気感が伝わるような、
緊張と緩和が生み出す面白さを大事に内面を写そうとしていた。

崩れた町並みの映像も、単にフォルムとして捉えるのではなく、
その背景にある原因やストーリーを伝えなければ、
真意を知る事も出来きず、解決の糸口を見つける事も出来ない。

chi001
↑甘粛省で会った道端で○×ゲームをする少年達。
この後何度も対戦したのですが、完膚なきまでに打ちのめしました!
こう言った真剣なかけひきや表情があってからこそ、面白さが増すのです。

chi002
↑面子のような遊びなのですが、打ち付けるのではなく
手で仰いだ風圧で相手の面子をひっくり返すルールです。
やはり負けたらいくつか持って行かれてしまうので真剣です。


この先、「世界の緩衝地帯」とも言えるような地域を通るにあたり、
様々な生活模様を体感し目にすることになる。
僕は今まで以上に気を引き締めながら、
腰を据えてそんな風景を写し出し、ここを通して発信しようと思う。

日本は終戦後にナショナリズムが低下した事と、宗教観が薄い事で、
今日の平和を何十年もかけて築き上げた。
愛国心が強烈な自己愛に変わって他人を傷つけるようならば、
今の日本のような平和ボケした生活観でも良いのかもしれない。

どの道何十年後かは、今の若者や子供たちが新しい価値観を見出して、
新しい世界を創造するのであれば、そこにある笑顔を増やす必要があるのだ。

オリンピック、戦争、テロが同時に起こっている現状は憂うのだが、
それらが破壊し打ち砕いた全てが、平和に生まれ変わる事を想像し、
これからも自転車を進めて行くのであった。

南湖公園
↑南湖公園から見えるビッグスマイル君。

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↑あと少ししたらまた西へと走り出します!乞うご期待!!