日が暮れ、夜が深くなるにつれて雨が降り出し、
朝に変わっても休みなく景色を深く染め上げる。
遅い朝日が遠い山の向こう側から昇ってくるのに合わせ雨は上がり、
どこまでも続きそうな草原の中で自転車を転がす。
カザフ族が多く住むこの地域一帯には、やはり遊牧民が多く、
民族衣装を身にまとう人々や、伝統的な移動式住居のゲルが点在し、
数十匹の羊や山羊の群れが道路を埋め尽くしたり、
遠くから数台の長距離バスが僕とすれ違い、またどこかへ走り去る。
透明な空気は若干の水分を含んでおり、
何かの拍子で霧に変わりそうな、ちょっとした危うさを感じる。
一方で天山山脈が分けた南側には、真夏の太陽が出鱈目に焼き付け、
かいた汗がその場で蒸発するような、灼熱の砂漠地帯が広がっている。
距離的にも道の状態的にもあまり走りやすくはないが、
今となっては北ルートを選んだことが正解だったと感じるのだった。

『白石頭郷』からさらに西へ進むと、『巴里坤』がひっそりと存在しており、
町の北側には天山山脈が今にも倒れこんできそうな程の存在感を放ち、
その趣は、町を包み守っているようにも感じる一方、
今にも襲い掛かってきそうな荒ぶる魂を感じることもある。
罵詈君の町へは15時くらいには着いたのだが、
意外にも宿探しにてこずり、10件目でやっとチェックインすることが出来た。
外国人宿泊許可がない宿も多かったのだが、それよりもなによりも値段が高い。
普通なら田舎ほど宿泊費が安くなるものなのだが、
今までの経験上30元程度で泊まれそうな宿であっても150元の提示をされる。
よさそうなホテルの安部屋でも180元、値切っても120元くらいで、
都会のそこそこなビジネスホテルと変わらない値段を取られてしまう。
どの宿を回っても150元均一と言うぼったくり価格が横行しているのだが、
これは「8月1日に近辺で見られる皆既日食を見るツアーが増えている影響で、
価格が一時的に高騰しているのだ。」と、告げられた。
それと、やはりここは中国の中でもカザフ族の自治県でもあり、
宿や食事や衣服などの生活費は今までより若干高く感じる。
中央アジアの本場カザフスタン人は、旧ソ連の気質を引きずっていることもあり、
「あまり明るく陽気な人も少ないし、陰気な印象がある。」と、聞いていたのだが、
少数民族が集まり、文化が交わりながら新たな文化が成長したここ『巴里坤』では、
旅人に対しても優しく、以外にも若者は垢抜けており、
軽い挨拶をしレンズを向けると恥らいながら笑顔を見せてくれる。
山々に囲まれ、ある意味隔離された世界で交わった文化が、
更に数々の民族性と交じり合い、まったく新しい価値観を生む。
今までの地域にも言えるのだが、ここ『』に身を置くことで、
より一層そんな事を考えさせられるのだった。




←さあウルムチへ!
朝に変わっても休みなく景色を深く染め上げる。
遅い朝日が遠い山の向こう側から昇ってくるのに合わせ雨は上がり、
どこまでも続きそうな草原の中で自転車を転がす。
カザフ族が多く住むこの地域一帯には、やはり遊牧民が多く、
民族衣装を身にまとう人々や、伝統的な移動式住居のゲルが点在し、
数十匹の羊や山羊の群れが道路を埋め尽くしたり、
遠くから数台の長距離バスが僕とすれ違い、またどこかへ走り去る。
透明な空気は若干の水分を含んでおり、
何かの拍子で霧に変わりそうな、ちょっとした危うさを感じる。
一方で天山山脈が分けた南側には、真夏の太陽が出鱈目に焼き付け、
かいた汗がその場で蒸発するような、灼熱の砂漠地帯が広がっている。
距離的にも道の状態的にもあまり走りやすくはないが、
今となっては北ルートを選んだことが正解だったと感じるのだった。

『白石頭郷』からさらに西へ進むと、『巴里坤』がひっそりと存在しており、
町の北側には天山山脈が今にも倒れこんできそうな程の存在感を放ち、
その趣は、町を包み守っているようにも感じる一方、
今にも襲い掛かってきそうな荒ぶる魂を感じることもある。
罵詈君の町へは15時くらいには着いたのだが、
意外にも宿探しにてこずり、10件目でやっとチェックインすることが出来た。
外国人宿泊許可がない宿も多かったのだが、それよりもなによりも値段が高い。
普通なら田舎ほど宿泊費が安くなるものなのだが、
今までの経験上30元程度で泊まれそうな宿であっても150元の提示をされる。
よさそうなホテルの安部屋でも180元、値切っても120元くらいで、
都会のそこそこなビジネスホテルと変わらない値段を取られてしまう。
どの宿を回っても150元均一と言うぼったくり価格が横行しているのだが、
これは「8月1日に近辺で見られる皆既日食を見るツアーが増えている影響で、
価格が一時的に高騰しているのだ。」と、告げられた。
それと、やはりここは中国の中でもカザフ族の自治県でもあり、
宿や食事や衣服などの生活費は今までより若干高く感じる。
中央アジアの本場カザフスタン人は、旧ソ連の気質を引きずっていることもあり、
「あまり明るく陽気な人も少ないし、陰気な印象がある。」と、聞いていたのだが、
少数民族が集まり、文化が交わりながら新たな文化が成長したここ『巴里坤』では、
旅人に対しても優しく、以外にも若者は垢抜けており、
軽い挨拶をしレンズを向けると恥らいながら笑顔を見せてくれる。
山々に囲まれ、ある意味隔離された世界で交わった文化が、
更に数々の民族性と交じり合い、まったく新しい価値観を生む。
今までの地域にも言えるのだが、ここ『』に身を置くことで、
より一層そんな事を考えさせられるのだった。



