ちっぽけな食堂の裏手の物置小屋で自転車と一晩を過ごした。
白石頭郷に夜から降り出した雨は、朝になっても降り続いていたが、
朝食を食べ終えた頃にはあがり、遠い雲のすき間からは光がさしており、
外には今にも落ちてきそうな雲が頭の真上に浮かんでいる。
霧がかかったような空気が冷たく肌に絡みつき、鳥肌が立つのを感じた。
カザフ族のおカミさんは朝からよく働き、小麦粉を練ったり
羊の肉やネギを細かく切り刻み本日の仕込みをしている。
朝食は羊の肉とこんにゃく麺のスープで、好みで唐辛子を加える。
油っこい料理が多いウイグル自治区において、
薄味のダシがとてもやさしく感じる為、つい食べ過ぎてしまう。
僕はこれから山脈に囲まれた楽園のような景色の中、
バルクル・カザフ(巴里坤哈薩克)自治県へと自転車を走らせる。
よりカザフ族の割合が増え、文化が入り交じるのを感じるだろう。
僕はあらゆるものを受け入れ、彼らの中に身を投じようと思う。



季節感が全く分からない!