河南省西部の町『西峡』から、陜西省東部の町『商南』までは
国道沿いに約75kmの道のりだ。
今日も朝から一面に霧が広がり、遠くの山が霞んで見え、
日差しはほとんどない状態でスタートした。
すでに標高も高いので、地図上では出発地点から目的地まで
さほどアップダウンの差がなく見え、
景色を楽しみながら5時間ほどで着く予定だった。

↑西峡の安宿。下段空いてるドアの部屋に泊ってました。

↑TERU-TERUキーホルダー!
天気が悪くならないのはTERU-TERUのおかげ!
河南省横断の事を色々と思いだしながら、ゆっくり進む。
なかなかスピードが上がらず、何か調子でも悪いのかと思っていたら、
緩やかな上り坂が続いていた。その距離20km。
その後もどれだけ進もうが上り坂の連続。
数キロにわたって続く上り坂を、やっとの思いで上りきり、
やっと下り坂だと感じても、実は緩やかな上り坂だったりする。
若干の下り坂が存在しても、次の瞬間その何倍もの上り坂が待ち構える。
トラックはいつもならびゅんびゅんと追い越して走るのだが、
今は、エンジンが焼きつきそうな音をうねらせ、
止まるか止まらないかのスピードで進んでいる。
僕の自転車は荷物を合わせ、全体で50kg程の重さであり、
ギアを一番軽くして、やっと登れる状態だった。
精神的にも肉体的にも堪える現状に、素晴らしい景色なんて目に入らない。
周囲には、水墨画の世界を連想させる程の、白く霞んだ山々が遠くまで続き、
その景色の中を鉄道が通っており、貨物列車が長い列を作って走っている。
麦畑が延々と続き、風が吹けば実った穂を揺らす。
景色としてはかなり気持のよいものなのだが、
「それらが作り出したこの上り坂は、一体いつまで続くのか?」
そんな事が次の瞬間には脳裏をよぎるのだった。

↑麦畑を背に、ぱさぱさのパンを食べる。
それでもしばらく走り、河南省と陜西省の境界ゲートをくぐった位のところが、
この峠の頂上付近で、トラックや車が停車して、エンジンを冷やしていた。

↑ゲート越え!陜西省へ突入です。

↑西安の文字がはっきりと!真中は蘭州いずれ通ります。
一番下は国道312の終点。カザフスタンとの国境の町です。
日本では考えられない距離感の表示です。流石に遠いな~
ここから『商南』までは16km、今までの遅れを取り戻す為に、
下りを急ごうと走りだし、1キロ程の下り坂を堪能したが、また上り坂。
流石に「もういいや」と、明日以降の「下り坂ダウンヒル」を夢見て、
ふらふらと目的地の『商南』へ辿り着いた。
さんざん坂を上ったからと、言うわけでもなく、
景色や空気から、今まで以上に標高の高さを感じる。
山と山との間が近く、その隙間をぴったり埋めるように町が広がっており、
日本の温泉地のような印象を受けた。
宿につき、いつも通りに冷えたコーラを一気飲みし、
エアコン付きの快適な宿で、地図を見ながら、明日以降の計画を練っている。
上り坂や下り坂で予定は変わる。自転車の旅では、それもまた一興である。