昼前、会社の郵便を出すために郵便局へ行った。
帰り道、交差点で信号待ちをしていたら、目の前をピンクの車が通って行った。
母の車と同じで、母みたいな人が乗っている。
通り過ぎるのを目で追って、ナンバーを確認したら、やっぱり母の車。
実家からも自宅からも遠くない場所で働いてると、こんなこともあるね。
北環状線を、折立方面へ向かって走って行った母。
きっと、名取のがんセンターに入院したアタシの従兄の所へ行ったのだろう。
帰ったらメールか電話かしてみよう。
そう思いつつ、仕事が終わって真っ直ぐ帰ろうと思っていたのに
何故か足はタピオへ向かった。
今思えばホントに何故行ったんだろう？？
特に用事もなかったし、今日は夕方子供達の歯医者があったから
ゆっくり見る時間もなかったのにね。
タピオに着いて、何を見るでもなく、いつも見る決まった店を眺めて
次に足を運ぶ店に行く途中、ふいに進路を変えた。
エスカレーターまで行こうとして、やっぱり階段で行こうとして戻った。
階段を降り始めたら、階下の通路を母が歩いているのを見つけた。
何の迷いもなく、階段の途中から「おかあさーーーん！！」と大きな声で母を呼んだ。
…少し前なら、母に声をかけただろうか。
１日の、ほんの数時間のうちに２回も母を見かけるなんてね。
今日は母と話をする時間を持つべきだったのかな。
ベンチに腰かけて話をした。
やっぱり母は従兄のケンちゃんのところに行っていたそうだ。
ガンは今の所転移はなくて、でも切る事は出来なくて、という状況らしい。
明日から抗がん剤。
お見舞いに行くなら土日、特に日曜がいいかもって。
話すうちに、スタバでコーヒー飲もうかって話になって、
スタバに行ったら美味しそうなケーキがたくさん並んでて、
母は食べたいって言った。アレもコレも美味しそうって。
今年糖尿病と診断された母は、１日に接種出来るカロリーとか
色々制約があって、好きなように好きなものを食べることが出来ない。
我慢我慢、我慢の毎日だ。
「じゃぁ１つケーキ頼んで、ひとくちだけ食べたら？
お母さんの好きなのでいいよ。」
そう言って、母が食べたいと言ったフランボワーズのケーキを頼んだ。
雨の仙台で、外のテラスで、母とコーヒーを飲んで、１つのケーキをふたりで食べた。
…美味しかったな。
それから、ふたりで中のお店を見て回って、
そういえばアタシ、こないだここに来た時に
2900円の全部が布で出来てる白いバッグを見つけてね、
欲しかったんだけど、その時2900円持ってなくて買えなかったから
今日それあったら買おうかな、って。
2900円持ってなかったんだよ、ホントに(笑)
給料日前だったかな＾＾;
お母さんも目をつけてるバッグがあったり、好きなお店があったりして、
同じお店に２回も３回も行ったりして。
母が気に入ったって言ってたあのバッグ、いつか買ってあげたいなぁ。
エライ高かったから、買えないかもしれないけど、そんな気持ちになった。
お母さん。
お母さんが喜んでくれたら、嬉しいなぁ。幸せだなぁ。
そうしてアタシが前に見た布のバッグは結局見つからず。
そりゃそうだよね。結構時間経ってるし、１個しかなかったし。
最後にふたりで入ったお店に、プレオーガニックコットンの
可愛いバッグがあった。
母が「コレ可愛いんじゃない？」って言うのと
アタシが可愛いって思うのが一致することは珍しい(笑)
アタシの購入条件である「動物の皮を使っていない」クリア＾＾
でも、なかなかのお値段。
そしたら母が「買ってけっか？」って。
いやいや、そんな悪いからいいよ＾＾;
コレがいつものアタシの返事のパターン。
でも今日は「ホント！？ホント！？いいの！？わーーーい♪」
で、お母さんにバッグを買ってもらった38歳の娘＾＾;
こんな風に素直に甘えた自分が、なんか嫌じゃなかったんだよな。
遠慮ばっかりして
顔色伺って
喜んで欲しいというよりは
怒らせたくない
機嫌を損ねたくない
いい子だと思われていたい
いい子でいなくてはならない
アレコレ欲しがっちゃだめ
そんな感じで、そっちメインで。
お母さん
甘えたことって、あったかなぁ。
きっとあったんだろうなぁ、覚えてないくらい小さい頃なら。
遠慮するアタシを、母はどう思っていただろうか。
遠慮…かな。
例えば何かを欲しがっても、どうせ買って貰えないとか
そういう諦めみたいな気持ちもいつの間にか当たり前に
なんかとりとめもなくなっちゃったけど
今日はね、嬉しかった。
お母さんに会えたこと
お母さんと話せたこと
お母さんとコーヒー飲んだこと
お母さんと一つのケーキを分け合ったこと
お母さんとショッピングしたこと
全部全部、嬉しかったよ。