俺は清美のお母さんに言われた場所にある病院に行き、清美と話す事にした。
清美のお母さんによると、もう目を覚ましているらしい。
俺は病院の廊下を走り、清美がいるという部屋のドアを勢いよく開けた。
「清美っ」
俺は部屋に入り、清美に近づいた。
「あなた……、誰?」
俺がベットの前に着いた瞬間清美が言った。
「えっ……」
「ねぇ、あなた誰なの?」
その言葉は鋭い槍の様に、俺の心にぐさりと刺さった。
するとドアが開き、看護婦らしい女の人と清美のお母さんが出てきた。
「清美のお母さん、清美は……」
俺は声を絞りだし清美のお母さんに聞いた。
「夏生くん……、清美は記憶喪失に……」
泣き出してしまった清美のお母さん。
看護婦は俺に頭を下げて、清美のお母さんをどこかに連れていってしまった。
俺は清美のベットの隣にあったパイプ椅子に座る。
「なぁ、清美。俺の事、覚えてない?」
清美はうーん……、と唸り、口を開いた。
「ごめんね、私、あなたの事覚えてないの……」
……信じられない……。
「俺、夏生だよ。付き合ってたじゃんか……」
最後は確かめる様に言った。
「夏生くん……。ごめんなさい。やっぱり覚えてないの……」
覚えてないとしか言わない清美の言葉に俺の心は傷つくばかりがった 。