お菓子を使い、なんとか清美の家に入ることが出来た。
が、全く話さない。
正確には何から話せば良いのかわからないから、話せない。
聞こえるのは俺と清美がお菓子を食べる音だけ。
それが20分程続き、お菓子が無くなってしまった。
……気まずい。
すると清美がおそるおそる口を開いた。
「ねぇ、夏生くん――――」
喋りかける清美の口を俺の唇が塞ぐ。
驚きを浮かべてる清美の目から涙が零れる。
俺は急いで口を離す。
「ご、ごめん……」
いきなりキスだもんな、そりゃひかれる――――。
「夏生くん、私、あなたを全く思い出せないけれど――――」
一旦句切り、笑顔を浮かべる。
「大切な人なんだな、って思った。ありがとう」
清美は動揺してる俺にキスをしかえす。
「ありがとう」
俺はそれしか言えなかった。