暑くて暑くて仕方なかった時期も過ぎて、朝晩は寒くなってきた。

いよいよ、冬へ向けて季節は進んでいるようだ。


剱岳はいつも変わらずそこにある。

しかし、人間というフィルターを通してしまうと、さまざまな形で山は変わる。

大きな山の中で、ほんの小さな事を気にしてしまうのだ。

いろんなものが見え過ぎてしまう。

それはガイドとしては、大切な部分である反面、心がどんどん疲れて、人は離れていく。

人は人、自分は自分。

幸福も悲しみも来ては去っていくものだ。


わかっていながら、喜怒哀楽が出てしまう自分は全く修行が足りていない。