基本的に私はトレイルランナーとは友好的な立場である。

 

しかし、剱岳早月尾根をお客様のペースに合わせてガイドしていると、(極一部ではあるが)後からスピードを緩めず迫って来て、背後にピッタリ付くトレイルランナーには恐怖を感じることがある。

 

お客様も焦りを感じるし、待機できる場所もない狭い部分では避けようもない。

 

これはクルマの煽り運転と同様の危険行為だと認識して欲しい。

 

もちろん、早月尾根にいるほとんどのトレイルランナーはそのことは認識していて、安全なポイントまで我々のペースに合わせてスマートに抜いて行ってくれる。

富山の名物ランナー「えみへい」と

 

随分と前の話だが…

 

源次郎尾根ガイドから別山尾根下降中。

横バイから繋がる降り渋滞中、TJARの選手達が降りて来た。(通過時間的にもトップではないのだが…)


私が「レース中のランナーが来たので、皆さん避けてあげましょう」と言ったら、その選手達は「避けなくて大丈夫です。これも山の条件のひとつなので!むしろ、休憩できて嬉しいです。」と言った。

渋滞の中で選手達といろいろ話をしたが、なんと素晴らしい人達なのだろうと感じたものだ。

 

それまでは、山を走る人々に嫌悪感を抱いていたが、一気にリスペクトへと変わった。

 

人として、こうありたいものだと思ったし、山岳ガイドも周りに対して、振る舞いや言動に気をつけるべきだと感じた。

 

山に活かされていることを忘れることなく。