立山黒部アルペンルートが明日6/19から再開することが決定し、ようやく剱立山での山岳ガイド活動を幅広く行うことができる。
新型コロナ第二波への不安がお客様の登山意欲に影響を及ぼすことが予想され、まだ手探りの状態だが、嬉しいことに秋までのガイド予約も例年通り埋まってきた。
今シーズンは新規顧客のガイド申し込みは受けないことにしている。
しかし、旅行社の剱岳登山ツアーが続々と中止になっているようで、私への個人ガイド依頼が例年よりかなり多くなっている。
今年は大人数ツアーの催行は厳しくなることが予想できていたし、ガイドとマンツーマンとか1対2とか少人数のニーズはこれから増えるはずだ。
しかし、周囲のガイドは今シーズンの活動を諦めている人が多く残念だ。
逆に信頼できるガイドと登る少人数のツアーニーズは増えるのではないかと思う。
私も一時期、登山業界の自粛要請ムードに心が折れそうになったことがある。
5月初旬に医師2名と一部の山岳ガイド、一部の山小屋、山岳ライター達の対談で、登山自粛を唱え、完全終息するまでは登山は再開すべきでないとの話があった。
その中で、JMGA理事の
「私の率直な意見を言うと、今日お聞きした話をなるべく多くのガイドたちに知ってもらいたいです。職を変える人もいるだろうし、もしガイドを続けるとしても1、2年はほかの職業を主にしなければなりません。今年の夏、冬と期待している人たちに、より現実的な話を知らせるということが、いま私がやらなければならないことだと思いました。」
という発言には絶望したし、同調圧力に弱い日本人には強烈な発言だった。山岳ガイドには受け入れることができない言葉だった。この言葉に未だ引きづられている人も多いのではないか。
医師の意見として、登山を自粛に向かわせて、医療体制を守りたいという話は立場を考えたら当然だと思う。
しかし、登山者がそのまま従って終息まで一律登山自粛する必要があるのだろうか。
まして、山岳ガイドは山にお連れするプロなはず。
知恵を絞って、活動再開するタイミングをはかり、できることを常に模索することが仕事ではないのか。
なぜ、早々にガイド活動ができないと決めつけるのかが理解ができなかった。
全国一律の緊急事態宣言が解除されたら、地元行政の発するガイドラインに従って、それぞれの立場で経済活動を再開するべきだと思う。
自分の考えで活動自粛するのは勝手だが、立場をわきまえて他人を巻き込まないで欲しかった。
他にも登山自粛について、言いたいことはたくさんあるが、やれる活動を自分で考えてやるだけだ。二度とこんな登山自粛は御免だ。
私の仕事は、お客様を山にお連れして、安全に帰すこと。
その一点に徹してこそプロであると思っている。
