コロナ禍も少し落ち着き、徐々に日常が戻りつつある。
6月に入って、ガイド業も再開して、お客様達とも再会できるようになり、ようやく気分も落ち着いてきた。
4月、5月はいろんなことにモヤモヤ感があったが、他人から発せられる行動指針と称した「こうあるべき」という文書に抵抗感があった。
行動指針を作った人には失礼ながら、子供の頃に勉強しようと思っていた時に「勉強しろ」と言われるとカチンと来るアレみたいなものである。

登山の魅力のひとつには、自分の行動を自分で決める自由さがあるのだ思う。
しかし、周りの雰囲気で自分の行動を決める登山者が増えている気がするのは私だけだろうか。

行動を人に決めてもらうことに慣れた登山者には、行動指針は有難いのだろう。
職業としてガイドする身としては、決まったお客様と決まった山で、山小屋と相談しながら、ガイドとしての行動を自分で決めたいし、どのように行動するかを一般論で他人から指示されたくはない。
私にしかわからないこともたくさんあるので、「行動指針を参考にガイド自身の環境に合わせて行動を決めてください」と言う扱いに自分で勝手に読み変えることにしたのだ。

今のガイド達は、教科書ができると全員がそれに合わせる妙な風潮を感じる。
金太郎飴のように似たような顔した教科書的なガイドばかりがたくさんいて、なにか物足りない。
昔、いっぱいいた無茶苦茶な人達がいなくなって面白くない。
誰にガイドを頼んでも、同じようなガイドになるんじゃないだろうか。(自然ガイドや登山ガイドの世界は知らないが)
どこの業界も面白い人はいなくなった。

私はどこの誰に叩かれても、強烈な個性を持ったガイドでいたいと思う。