随分と前に、アコンカグアから下山してフィッツロイに向かうためにカラファテ空港にいた。
日焼けで真黒い顔した私に向けて「あー、日本語しゃべった!」と不躾に言った日本人ツアーの女性にイヤだなと感じた。

さらに、そのツアーのリーダーは「あの人、日本人だよ」と笑いもせずに言った。
余計不愉快だった。

それ以来、その人には好印象は持っていなかった。
山小屋で一緒になっても、話したことはなかった。

でも、昨年の剱岳で彼のツアーリーダーで私がガイドをすることになった。
6日間一緒に過ごしたが、今までの印象がガラッと変わった。
他人に良く気遣いし、ツアー内でイヤな役を積極的にやってくれる人だった。
私は基本的にツアー登山は大嫌いだけど、彼のツアーだったら、またやりたいなと思った。

でも、16日の奥多摩でツアー登山中に心筋梗塞で亡くなったと今日聞いた。
まだ68歳なのに。
いつも深呼吸をしてたのに。

彼とのこと、忘れないためにブログに残したい。
最近、良い人ばかり消えていく。