京都バッハ合唱団さんとの『マタイ受難曲』@いずみホールが無事終演しました。

今年は8月にモダン楽器でのマタイ、今回は古楽オケと、古楽奏者として有り難すぎる年でした。
大きな大きな山をひとつ越えることができ、とにかくほっとしています。
相方は土田猛さん。
夏から共にマタイを戦い抜きました。

今回の試練のひとつはリコーダー持ち替えでした。
今までは2オケだったり、1オケでも持ち替えなしだったり、のらりくらりと逃れてきていたのです。
今回はもう逃げられぬ、と腹をくくって数ヶ月間、家でひたすらリコーダーを練習する日々でした。
いつかの為に用意しておいた415hzのリコーダー、それを使う「いつか」がようやくやってまいりました。
本番ではリコーダーの音もよく聴こえたと言っていただいて、ただただ胸を撫で下ろしています。
そしてAus Liebeのソロという大役を任せていただいた特別な本番でもありました。
8月のモダンの回でも前夜なかなか寝られず、
今回の古楽器の回も寝られるはずなんてなく。
マタイの中で重要なアリア、そしてフルート奏者にとって特別なこの曲をトラヴェルソで演奏できたこと、本当に感謝です。
今できることを出しきれたと思っています。
またいつか、この曲を吹かせていただけるよう、ひたすら努力、そしてより人生経験豊かな人間になっていきたいなと思います。
作品の凄さ、たくさんの方の思い、会場の緊張感や空気、さまざまなものが混ざりあった時間でした。
最後の一音が終わった後のしばらくの静寂は経験したことのないような空気でした。
最後は舞台上が涙涙。
この公演に携わられたすべての皆様に深く感謝いたします。

