留学について私が思うこと | toi♪toi♪toi

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Flute永野伶実の日記


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先週の話なのですが、

待ちに待った卒業証書がようやく届きました。

はい、まだ受け取れていませんでした・・・。

ここに来るまでが実はけっこう大変だったのです。


本来卒業試験が終わったら当然授与されるものだと思うのですが、

なぜかそうもいかず。


どう考えても私に非はないことで必修科目の単位がもらえず、

担当の先生を説得の後ようやく卒業単位が全部そろった後で

事務の人にどこに書いてあんの、というルールをつきつけられたり、

人に助けてもらいながらそれをクリアしたと思ったら、

今度は音楽学部の校舎の事務ではちゃんと登録がなされたものの、

本部のパソコンに連絡がうまくいってないまま、

担当者が休暇に入ってしまうという。。


帰国の日には間に合わせて持って帰りたかったので、

休暇明けの担当者に何度も催促の連絡をしたものの、

あまりにしつこいと思われたのか、

ご機嫌を損ねたようで今度はその人と音信不通に。


結局事務の別のお姉さんが対応してくれることになり、

先週ようやく手元に証書が届きました。

ここまでくるのに約4か月・・・。

とにかくこれで無事、人生二つ目の修士号をゲットしました。


明らかに正論だと思うことが通らないドイツ人には本当にうんざりしましたが、

逆に助けてくれた友人、先生には心から感謝です。


嬉しかったことがひとつ。

あまり良くなかったと思っていた卒業試験の点数ですが、

証書が届いてみたら最優秀の成績で卒業できていました。

なのでこれからはプロフィールに堂々とそう書かせていただきます。笑



そして、改めて留学するということについて考えました。


もともとは一年しかドイツにいられないはずだった私の留学。

最後は卒業して2年半滞在することが出来ました。

周りの人の協力なくしては叶わなかったことです。


28歳から始まったドイツでの学生生活でしたが、

留学したいと思い始めてから、

周りの人や留学の先輩からは、

行くならできるだけ早いほうがいいといつも言われていました。

私の場合はためらっていたのではなく、

28歳のときにようやく行ける条件と準備が整ったということだったので、

それ以上早く渡独することは無理だったのだけど、

その意見は一理あるとは思っています。


実際入学した時点で28歳だったことで、

すでに年齢的に志願さえできない事柄もあったし、

30歳になった時点で保険は倍の額に値上がりするし、

その他にも年齢のことで不自由があったのは事実です。


ただ、今思うのは私の場合これでよかったということ。

行けるかどうかも危うかったことを思えば行けただけでも万々歳ということもあるし、

大学を出てすぐの年齢で来ていたら気づかなかっただろうなぁと思う事も多々ありました。

でも人に相談されたら、確かに早く行くことをすすめます。笑


ただ今思うのは、年齢や経済的なことだけがネックなのなら、

決して諦めない方が良い。

ドイツには日本よりたくさんの奨学金の財団や授与してもらえるチャンスがあるし、

バイトしながら生活するという方法だってあります。

ブレーメンの大学は学費がかからず、

住んでいた寮も月165ユーロの家賃、

物価も全て日本より安いし、

節約しながら日本では考えられない予算で生活できていました。



プロになるため、音楽家としてやっていくために

留学が必須条件だとは全然思いません。

ただ留学願望があるのなら、海外で音楽的にも人間的にも得られるものは計り知れないと思うのです。


海外で勉強したいと少しでも思うのなら、

たとえ1年でも半年でも1か月でも、

航空券と最低限のお金だけ貯めて、行く価値はある。

そこからの音楽人生の基盤になる経験がきっと得られるはずです。


大変なこともたくさん、

そして留学しなければ経験しなくてよかったようなズタボロになった出来事も、

全部含めてやっぱり行って良かったと思います。


いわゆる”辛いこと”って、乗り越えざるをえない場合、

人間たいていは乗り越えられるもんです。

そこからまた別の道を探すのなら、それもまたひとつの選択。

それだって勇気のいることです。


これからも留学したい!という人たちが、

ひとりでも多くその希望を叶えられることを願っています。


たった一度きりの人生ですから。