『STARDOM DREAM QUEENDOM 2025』に行ってきましたぁ〜٩( ᐛ )و ‼︎
私は学生時代にアントニオ猪木のプロレスに魅せられ、蔵前国技館(両国移転前)や田園コロシアムを初め地方の体育館で開催されていた新日本プロレスをよく観戦しました。あくまで〝猪木イズム〟信者だった私は猪木が第一線を退いたあとは会場へ足を運ぶこともなくなり、次第にプロレスや格闘技への興味も失いました。
若いころに熱中した燃える闘魂アントニオ猪木
世界がコロナという得体の知れない疫病にすっかり覆われた2021年。どこのテレビ局も朝のワイドショーはコロナ一色でした。そんななかTBS系列の『ラヴィット!』という生放送番組だけは頑なに時事ネタを扱わず、朝からバラエティーに徹していました。この番組は他局のワイドショー番組に視聴率で及ばなかったTBSが、苦肉の策として時事ネタを一切扱わないという逆転の発想で始めた朝の時間帯には珍しいバラエティー番組でした。
「ラヴィット!」名MC川島明と人気の田村真子アナ
番組開始当初は視聴者から『朝からふざけたバラエティーなんて見たくない』と生真面目な多くの日本人から相手にされず視聴率も低迷していました。ところがコロナ感染を危惧する患者が病院に増えるにつれ、コロナの恐怖ばかりを煽るワイドショーが待合室のテレビで流しづらくなり、多くの病院が『ラヴィット!』にチャンネルを合わせるようになりました。いつしかこのふざけた番組が多くの医療従事者から『やっと病院のテレビで流せる番組に出会えました』と感謝されるようになるのです。
コロナ禍の病院の待合室で流すテレビ番組がなくなった…
当時エッセンシャルワーカーへの研修という仕事に従事していた私は「密を避けなさい」という自治体の意向とは裏腹に一向に密が解消されない満員電車で毎朝通勤していました。会社の同僚が次々と自宅勤務にシフトするなか食品部門の研修や、その後もコロナを追いかけるように当時クラスターの巣窟だった飲食店部門の仕事にも携わりました。私は日々迫り来る疫病感染の危機感から、情報が遅く報道の不自由な日本のメディアだけに頼らず、インターネットやツイッター(現X)からタイムリーな海外の情報、行政や医療関係者のSNSの生の声も含め幅広いソースからコロナの広範囲な情報を集め健康対策を講じるようになりました。
鉄道、パチンコ…なかなか密がなくならない業界があった
さまざまな媒体からの海外の情報に触れるにつれ、日本の地上波テレビが報じる海外情報は、ニューヨークやカリフォルニアなどアメリカの一部の大都市部(CNNのコピペ)かイタリア、ドイツ、フランスからの情報ばかりで、SNSやインターネットから得られる全般的な世界情勢に較べて独特のバイアスを感じるようになりました。その後、次第に欧州の各国がコロナワクチンの危険性に警鐘を鳴らし始めた2022年頃になっても、日本のテレビでは相変わらずワクチン推奨ばかりで相変わらずの情報の遅さに違和感を覚えたものでした。
緊急事態下でも自主性を求める自由主義圏の国民たち
そんな私は一方的にコロナの恐怖ばかりを煽る偏った地上波の報道やワイドショーから自然と距離をとるようになりました。代わりにどんな大事件が起きようが、また大谷翔平がどれだけ活躍しようが時事ネタを一切扱わない姿勢を貫く生放送番組『ラヴィット!』のブレない番組づくりに共鳴するようになりました。日常の情報は地上波テレビだけに頼らずネットニュースやSNSなどさまざまなツールから幅広く集めることにし、休みの日の朝はこの〝ふざけた〟バラエティー番組を見るようになりました。
お笑いにビリビリ椅子を取り入れた「ラヴィット!」
コロナ禍も収束し世間が日常を取り戻したある日のこと、いつものように『ラヴィット!』を見ていると、お笑い芸人やアイドルばかりの出演者の中に、朝のお茶の間にはあまりそぐわない衣装を身につけた体格の良い女性の姿を見つけました。また新手の芸人が出てきたのかなと見ていると、それは女子プロレスの「STARDOM」という団体に所属する上谷沙弥という現役プロレスラーであることが分かりました。現役の悪役(ヒール)プロレスラーにも関わらず、どこか人のよさが滲み出る憎めないキャラクターの上谷沙弥選手。『ラヴィット!』登場のたびに私の好感度は上がり、次第にその魅力に惹かれるようになりました。
朝のバラエティーに乱入した悪役女子プロレスラー
また、ある時は他局の別のバラエティー番組『千鳥の鬼レンチャン』で、彼女が同じ衣装でトラックを全力疾走している姿を見かけました。この番組は300m走を何本も連続で繰り返し、最下位になったら即脱落するという厳しいルールの中で最終的に一位勝ち残りを競うという鬼のように過酷な競技番組。この番組への参加理由を『お茶の間の多くの人が見るテレビ番組で1位を取れば世間の人がプロレスのことを見直して、多くの人にプロレスを見てもらうきっかけになるんじゃないかと思って…』と涙ながらにプロレス愛を語る彼女の姿に私は完全に心を持って行かれました。
『世間の人たちにもっとプロレスを見てもらいたい』と訴える彼女の姿に、私はかつてプロレスをボクシングや相撲などと同じように世間に認めさせたい、他の格闘技と同じような市民権を得るために孤軍奮闘し、世界的スーパースターで現役ヘビー級プロボクサーのモハメッド・アリを日本のリングに引き摺り出したアントニオ猪木の姿が重なりました。それまでSTARDOMの中では人気も実力もあった彼女でしたが、テレビ出演を契機に一気にその存在が世間に知れ渡りブームに火がつきました。STARDOMの中で彼女が所属するH.A.T.E.(Harass. Abuse. Terrorize. Eradicate)という悪役軍団の人気も上がり、なんと彼女は2025年の「年間プロレス大賞」という、それまで男子レスラーしか受賞したことのない栄誉ある賞を女子プロレスラーとして初めて受賞したのでした。
2025年はヒールが主役となり女子プロレスブームに
私は次第に大好きだったプロレスラーアントニオ猪木の魂が乗り移ったかのような上谷沙弥という選手のプロレスを一度生で観てみたいと思うようになりました。プロレス好きの知人から年末12月29日に両国国技館で大きな大会が開催されることを聞き、私は迷わず早々にチケットを購入しました。この知人から初めて観戦に行くなら是非ほかの選手も覚えた方いいと勧められ、YouTube番組でスターダムの試合を何試合か予習しました。神谷選手以外にも今の女子プロレスには個性的で多彩な選手がいることが分かりました。中でも私が目を奪われたのは、その芸術的で鮮やかなジャーマンスープレックスホールド(原爆固め)を決める安納サオリという選手でした。
安納サオリの芸術的な人間ブリッジ
私には彼女の芸術的とも言える美しいブリッジのジャーマンが、かつて4つのスープレックス引っ提げて颯爽とデビューし、多くのファンを魅了した往年のジャンボ鶴田の美しいジャーマンスープレックスホールドと重なりました。上谷沙弥と安納サオリ、それはあたかも昭和のプロレス全盛期の大スター、アントニオ猪木とジャンボ鶴田の2人が、令和の女子プロレスの世界で私の目の前に蘇ったようなワクワクした瞬間でした。
その後に発表されたこの年末両国大会のメインイベントは、何となんとその上谷沙弥vs安納サオリという最高のマッチメイクでした。そして迎えた年末も押し迫った12月29日、ワクワクしながら試合会場に足を踏み入れました。この日の両国国技館は全席満員札止めという大観衆で埋め尽くされていました。昭和の時代の男同士の一騎打ち的なプロレス会場しか知らない私は、まるで人気アイドルのコンサート会場のように煌びやかで華やかな令和の女子プロレス会場に驚きました。2階席から見下ろすとリングサイド最前列を含め会場のあちこちに欧米人のファンの姿が目につきました。聞けば昨今のSNSやYouTubeの発達で、日本の女子プロレスのレベルの高さが欧米のプロレスファンにも知られるところとなり、海外のファンたちの間ではSTARDOMのプロレスを観ることが日本を訪れる一つの目的になっているようです。
12.29両国国技館大会の華やかな対戦カード
プロレスの選手入場が華やかになったのはアントニオ猪木の入場テーマ曲「INOKI BOM-BA-YE」が転換点でしたが、それをはるかに凌ぐ煌びやかで華やかなライティング演出の選手入場、ひらりとコーナーに登っての華麗な観客アピール、メキシコレスラー顔負けのトップロープやコーナーポストからの派手なプランチャー攻撃、かつてタイガー・ジェット・シンやブルーザー・ブロディが観客席の椅子を薙ぎ倒して大暴れしたように観客を巻き込む迫力満点の場外乱闘…初めてのSTARDOM女子プロレスの世界に私はあっという間に釘づけになっていました。
今回初めて見たのが〝ロイヤルランブル〟という形式のバトルロイヤル。通常のバトルロイヤルとは違い、新しい選手が1分おきに次々と投入され大人数で闘うとてもワクワクするバトルロイヤルでした。やはり実際に会場まで足を運び、生でじっくりと観戦したことで選手一人ひとりの個性や生の迫力が体感でき、令和の女子プロレスのエンタメ性を存分に堪能することができました。上谷沙弥がテレビで涙ながらに語った『世間の多くの人たちに見てもらいたい』というSTARDOMのプロレスを全身全霊で思う存分楽しめた4時間でした。
メインイベントのタイトルマッチは、22分40秒の激闘の末、選手権者上谷沙弥が旋回式スタークラッシャーで挑戦者の安納サオリをマットに沈め、見事第20代ワールド・オブ・スターダム赤いベルトの8度目の防衛に成功しました。試合後、沙弥様はリング中央でこの一年を総括するマイクパフォーマンス。国技館のリングに舞い落ちる金色の紙吹雪がとても印象的で感動的なフィナーレでした。そこにはバラエティー番組『ラヴィット!』や『千鳥の鬼レンチャン』とは違う、正真正銘のプロレスラー上谷沙弥の姿がありました。
(左上)ブロディ顔負けの場外乱闘(右上)大柄沙弥様がトップロープから豪快なプランチャー(左下)20分40秒の激闘を物語る王者(右上)来年も頂点に君臨することを高らかに宣言
アントニオ猪木のストロングスタイルプロレス信者だった私は、これまで女子プロレスの世界には全く興味も関心もなく見向きもしてきませんでした。しかし、今回生で観戦した上谷沙弥を中心とするSTARDOMの興行を目の当たりにして、それまで女子プロレスに抱いていた私の偏見はあっさりと覆されました。令和の女子プロレスは、これからも何度も足を運びたくなるような、そんな想像以上の素晴らしいエンターテイメントでした゚・:,。☆




















