前年は国内リーグ1冠に終わり迎えた新シーズン。メンバーとしては前回書いたようにイ・ガンインとファビアンを売却し、さらにダニーロ・ペレイラとレンタルバックのベルナトにもオファーがあり彼らも放出。一方でノルウェーからIHと左ウイングが可能なグリクセン、ザルツブルクからグルナ=ドゥアト、そしてバルセロナで構想外になっていたラフィーニャを獲得。バックアッパーの層を厚くし開幕に臨みました。
そうした中で成績は30勝3分け1敗 勝点93 99得点・15失点でリーグ・アンは優勝、国内カップも制し2冠となりましたが、CLはまたも決勝まで進んだものの、マンチェスターシティに敗れ3冠とはなりませんでした。
今シーズンは昨シーズンに比べ怪我人が多く発生しました。特にドンナルンマは計3度の離脱で合わせて3か月の不在、またエムバペも足首の骨折で全治3か月と攻守の核となる選手が長期離脱を強いられ、ヌーノ・メンデス、ハキミといったあたりも不在となり、カラブリアやリュカの負担が増える結果になりました。ただし、冬の市場でライプツィヒからシマカンを獲得し、右SBとCBの層は厚みを増し、レンタルでコバチッチも獲得し、負傷者には対応できました。
ドンナルンマの不在はテナスが、エムバペ不在の時期はデンペレが爆発しゴンサロ・ラモスも最終的にはリーグ得点王となる活躍で攻守ともに不在を感じさせないようなシーズンにすることができました。
ゲームシステム選出のベストイレブンは
GK ドンナルンマ
DF カラブリア マルキーニョス キンペンベ リュカ・フェルナンデス
MF ザイール=エメリ ソレール シャビ・シモンズ
FW ラフィーニャ デンペレ コロ・ムアニ
でした。
ここからは各選手の成績及び寸評です(成績はリーグ戦)
GK ドンナルンマ 16試合5失点 クリーンシート11試合 平均点 7.34
評価 B+ リーグ戦では複数失点無しで、CLも13試合でクリーンシート7と出場した試合での堅守は相変らず。ただし、トレーニングで3回の長期離脱があり、出場試合数が少なかったことがマイナスポイントに。
ケイラー・ナバス 11試合6失点 クリーンシート7試合 平均点 7.06
評価 B ドンナルンマ不在の序盤戦では彼の穴を埋めクリーンシートも多かった。引退を表明した事もあって、テナスにセカンドを譲ったものの、カップ戦決勝では先発し有終の美を飾る。
テナス 8試合4失点 クリーンシート4試合 平均点 7.14
評価 B+ 序盤は3rdの位置づけだったが、ナバスの引退表明を受けてセカンドに。CLでも3試合でクリーンシート2と優秀な成績で、リーグ戦でもターンオーバーを使用し主力を温存している中でも失点は少なかった。
DF シマカン 9試合 1得点0アシスト 平均点 7.18
評価 B シュクルニアルのレンタル放出もあり、108億で冬の移籍期間で獲得。ハキミの離脱が多かった右サイドでの起用も多く、CLでは1得点3アシストと攻撃面でも活躍。シュクルニアルがそのまま放出の場合はマルキーニョスの代役も。
マルキーニョス 28試合 3得点2アシスト 平均点 7.14
評価 A- 早々に優勝を決めターンオーバーを用いたり、シュクルニアルの不満を収めるためにベンチスタートの試合もそれなりにあったものの、ビッグマッチではファーストチョイス。右サイドからのアシストやエリア外からのミドルシュートなど、攻撃面でも活躍。
キンペンベ 30試合 2得点0アシスト 平均点 6.98
評価 A- リュカとの併用が予想されたものの、彼やヌーノ・メンデスの怪我もあり、大半の試合で起用。マルキーニョスとの補完性も高く、年間15失点の堅守に貢献した。
リュカ・フェルナンデス 23試合 1得点2アシスト 平均点 7.09
評価 B+ 左CB、SBどちらでも投入できるようにベンチスタートも多かったものの、ヌーノ・メンデスの離脱もあり、主にSBで起用。メンデスほどの攻撃力は無いものの、気の効いたオーバーラップで攻撃面でも貢献。
ハキミ 19試合 0得点3アシスト 平均点 7.07
評価 B- 累計2か月の故障離脱もあり、アフリカネーションズカップで離脱した昨シーズンとほぼ変わらない出場数に留まった。またCLのアシストが昨シーズンの5から0となり、攻撃面でも思ったような違いを生み出せず。
カラブリア 25試合 2得点4アシスト 平均点 7.09
評価 A- 控え要因として獲得したものの、ハキミの離脱もありリーグ戦では彼を上回る出場機会を確保。また、攻撃面でも得点関与数で上回り、ベストイレブンに選出とリーグ戦では文句のない出来に。
ヌーノ・メンデス 23試合 1得点3アシスト 平均点 7.04
評価 B ハキミ同様に故障離脱もあり、思ったような出場数を確保できなかった。コンディションさえ万全であれば更にスタッツを伸ばせたはず。
シュクリニアル 12試合 2得点1アシスト 平均点 7.23
評価 B 守備面での強さもセットプレー時の高さもありレギュラーでもおかしくないのだが、マルキーニョスと右CBの主戦場が重なりなかなか出番を得られず、レアルマドリードへレンタル。シマカン獲得もあり換金対象か。
ゲレイロ 7試合 0得点0アシスト 平均点 6.72
評価 D バイエルンから左SBの保険としてレンタル。能力不足もあり、先発は1試合のみで冬に呼び戻され終了。
MF ウガルテ 16試合 2得点0アシスト 平均点 6.86
評価 B ザイール=エメリが五輪に出ていたため、開幕はスタメンで迎え、まさかのチームファーストゴール。2試合連続弾と思わぬ攻撃面での貢献もあったものの、やはりボールが保持できるリーグ戦では守備中心の彼の持ち味が発揮できず、強豪相手のみに限られてしまった。
シャビ・シモンズ 27試合 1得点6アシスト 平均点 7.18
評価 B+ プレイメーカー的な役割を与えたのもありシュートの意識が低く、全コンペティションで3得点に終わってしまった。アシストも期待値から考えると及第点ではあるものの、満足とは言い難い。来シーズンは彼をトップ下に置くシステム変更もあり得る。
ヴィティーニャ 27試合 4得点1アシスト 平均点 6.98
評価 B 昨シーズンの8得点6アシストという、陰のMVP級の活躍を考えると今シーズンは控えめと言わざるを得ないシーズンに。バランスは取れていたが、更なる奮起を期待したいところ。
コバチッチ 11試合 1得点1アシスト 平均点 7.03
評価 B- 冬の移籍でレンタル契約。得点力が無いため、攻撃面で違いを生み出すことはできなかったが、ターンオーバー要員として主力の負担を減らす、という意味では及第点の動きを見せた。
ザイール=エメリ 22試合 1得点1アシスト 平均点 6.94
評価 B+ 昨シーズンは1試合のみだったCLで13試合に先発と、19歳でボランチのファーストチョイスに定着した点は素晴らしい。ただし、昨シーズンの6得点2アシストから大きく得点関与は減ってしまった。
グルナ=ドゥアト 13試合 0得点2アシスト 平均点 7.07
評価 C+ ザイール=エメリやウガルテの壁は厚く、リーグ戦は5試合の先発に留まり、CLも途中出場の1試合のみだった。それでも出場時の動きは悪くなく、出番さえ増えれば2番手に昇格も。
グリクセン 24試合 3得点3アシスト 平均点 7.02
評価 B- グルナ=ドゥアトと同じ21歳で、やはりなかなか先発としての出場は少なかったものの、IHと左ウイングで起用できる利便性もあり、途中出場から貴重な得点も。7億という移籍金を考えれば及第点の活躍。
ソレール 24試合 8得点9アシスト 平均点 7.24
評価 A- MFの得点が軒並み減少するなかで、昨シーズンから出番が減ったにも関わらず、得点、アシストともに1増。勝ち越したい、追いつきたい時のカードとしてもターンオーバー採用時の先発としても非常に有用で貴重な選手。
FWラフィーニャ 29試合 7得点11アシスト 平均点 7.41
評価 A- ターンオーバーを用い、序列的には4番手だったもの、左でも起用可能で年間を通じて安定した成績で最終的にはアシストは2ケタを記録。右サイドのみのアセンシオの調子次第では3番手にも。
エムバペ 17試合 7得点5アシスト 平均点 7.36
評価 B+ 骨折で3か月の離脱もあり、リーグ戦の先発は11試合。それでも2ケタ得点に関与したのはさすが。とはいえCLではPKの機会を3つ全て失敗するなど、昨シーズンに比べると冴えない時間も多かった。
コロ・ムアニ 27試合 16得点1アシスト 平均点 7.39
評価 A- 序盤戦はやや不調で、リーグ戦の先発はゴンサロ・ラモスに譲る機会が増えた。それでもCLでは先発として起用されファイナルに導き、リーグ戦でも後半爆発し、最終的には得点ランク3位に。
ゴンサロ・ラモス 31試合 19得点3アシスト 平均点 7.30
評価 A+ リーグ戦ではコロ・ムアニからファーストチョイスの座を奪い、リーグ戦では最終盤で更に得点を重ね逆転で得点王に輝く。CLではコロ・ムアニのサブに甘んじたものの、4得点は及第点。
デンベレ 29試合 9得点14アシスト 平均点 7.59
評価 A+ 序盤戦エムバペが離脱した期間は彼の不在をほとんど感じさせない爆発で、リーグMVPにも輝く。左右両サイドから自由に斬り込んでいった。後半ややトーンダウンした感があり、その調子をキープしていればS評価だった。
マルコ・アセンシオ 24試合 8得点7アシスト
評価 A- 数字を振り返ると決して悪くは無いのだが、リーグMVPに輝いた昨シーズンに比べると、ややインパクトに欠けた。もちろん、得意の強烈なシュートは健在だったが、アシストが減。左右どちらもできるラフィーニャに比べると使い勝手が悪かった感も。
以上選手寸評でした。
ここからはポジション別に来季の補強の必要性について考えていきたいと思います。
GKはドンナルンマは間違いなく残留させたい。ただ、彼もテナスも契約最終年で、ケイラー・ナバスは引退という事で、状況次第では総入れ替えもあり得なくはない。どちらにせよテナスレベルの選手が1枚欲しい。
右SBはハキミが2シーズン思ったほどは活躍できず、今年もアフリカネーションズカップが。残留が基本線だが、シマカンの獲得もあり、高値のオファーがあれば売却も検討。カラブリアはバックアッパーとして引き続き重用したい。
CBはマルキーニョスは絶対的リーダーでシマカン・シュクリニアルも右CBとして控える。一方でキンペンベにはニューカッスルからオファーが。シマカンが左右問わず、リュカもいるものの、彼らはSBも兼ねるため、売却の場合は専門のCBが欲しい所。
左SBはヌーノ・メンデスが怪我がちで思ったほど成長できていない。守備重視時にはリュカが起用されることもあり、この2人が怪我無く健在であれば良いが、さらにもう1枚欲しい所。
アンカーはザイール=エメリが10代にしてレギュラーに定着したが、その影響でウガルテが退団を要求している。グルナ=ドゥアトが2番手ではやや心許なく、エメリが起用できない場合はマルキーニョスやヴィティーニャを回すことも。
IHはシャビ・シモンズとヴィティーニャ、ソレールという3枚が主戦格で格下相手にはグリクセンも十分通用する。ただし、ボランチもできるようなやや守備寄りの選手も1枚獲れるとなおよし。
WGはデンベレ、ラフィーニャが左右どちらも対応できるので、右しかできないアセンシオの存在感がやや弱まってきており、年齢的な事を考えても良いオファーがあれば、というところ。エムバペとデンベレを左、ラフィーニャともう1人を右、という風に固定できればベスト。
CFはコロ・ムアニ、ラモスともに高いレベルにあり、2枚揃っているのは贅沢。ただし、2人ともにイタリア方面が興味を持っている。年俸的にも売却するとすれば前者か。エキティケは冬のレンタル先であるスタッド・ランスで10試合ノーゴールと完全に不発。
という事で基本的には売却した場合にそのポジションの代理を獲得するという、昨年ベースの戦力で戦いたいところ。ただし、移籍資金にはある程度余裕があるので、何も無くても1枚は補強したい。ポイントは中盤と左CB、どちらかが引き抜かれた時のCFでしょう。