先週末から夏休みに入ったという子どもたちが出てきました。
昼間街を歩いていても、子どもたちの姿を見ることが増えてきました。
夏休みの宿題で子どもたちを悩ませるものの一つに作文があります。
読書感想文や人権や税に関する作文が学校課題で出されている子も多いです。
作文課題に関して子どもたちがよく口にするのは、「作文書けない」という言葉です。
作文が書けない原因。
私の考える理由は「考えながら書くから」です。
だから作文に関して提示する解決策は「考えてから書く」です。
文章を書いていてよくハマる落とし穴は「自分が何を言いたいのか分からなくなる」というものです。
何故そうなるか?
それは先述の通り「考えながら書くから」です。
何を書こうか考えながら書いていると、書いている間に様々な考えが浮かんできて、
その都度、浮かんできた考えに従いペンを走らせているうちに、
自分が一体何を言おうとしていたのか分からなくなってしまう。
結果「書けない」という訴えになる訳です。
そのような状況に陥ることを防ぐためには書く前に考えることです。
それでは何を考えるのか?
それは「主張」と「そこに至る論理構造」です。
主張とは自分が読者に訴えたいこと。
論理構造とはそこに至るまでのプロセスです。
例えば学術論文であれば、
論文の概要→研究の背景→研究手法→結果→考察→結論・主張
のような型を採用しているものが多いですし、
大学入試の英作文であれば、
主張→理由→具体例→結論・主張とか、
主張→理由→予想される反論→その反論に対する反論→結論・主張とか、
という記述の型があります。
このような型に従ってどう自分の主張につなげていくか、それが論理構造です。
自分はこの作文で何を訴えたいのか、そのためにどのような論理構造を採用すべきか、
それを考え明確にしてから書き始めることによって、
何を言いたいのか分からなくなるリスクを大幅に下げることができます。
どのような文章を書くかによって採用する型は変わってきます。
全てをご説明することは無理なので、ここでは読書感想文におすすめの型を一つご紹介します。
まず、本を読みながら気になった箇所を5~7個ピックアップします。
そしてそのそれぞれについて、
いつ、どこで、誰が、どんなことを言っていたとか、その本に書いてあった内容を書き出してみます。
次に、その内容に対して、自分がどのように感じたか、どういうことが印象に残ったか、自分なりの解釈を書き出してみます。
気になった部分から3か所を抽出して、3つの解釈を1つに要約し、まとめの感想とします。
写真のような表を用意してやるとやりやすいと思います。
このように、書くべきことを考え整理してから書くことで、作文は一気に書きやすくなります。
もしお子さんが読書感想文で困っていたら、お子さんの話を聞きながら一緒に写真のような表を埋める作業を手伝ってあげてください。
親御さんに書いてあった内容を説明する過程で、読んだ本に対する子どもたちの理解が深まり、言語運用能力も高まります。
ぜひご家庭で試してみてください。