以前、お邪魔しているご家庭のお母さんとお話している時に、お母さんが
「あの子ゲームした後いつもイライラしてるんです」とお話して下さったことがありました。
そのときは上手くプレーできなくてイライラしているのかな、くらいに考えていました。
しかし、その後私自身がスマートフォンを使うようになって、それは違うと考えるようになりました。
スマートフォンで長い文章を作った後、神経が高ぶったような状態がいつまでも続いたり、
頭がボーっとしてしばらく考え事ができなくなったり。
私自身そんなことが何度もありました。
一時期電子書籍で本を読んでいたこともありましたが、その後具合が悪くなるので、今はすべてやめました。
スマホやタブレットなどの電子デバイスを使っているとき、または使い続けることで、私たちの脳内ではどのようなことが起きているのか、
今日はそんな内容です。
先日来こちらの書籍を読み返しています。
RESET 子どものデジタル脳完全回復プログラム ヴィクトリア・L・ダンクリー 著
著者はアメリカの小児精神科医で、デジタル機器と子どもの脳の発達についての研究で数々の受賞歴がある方です。
著者はデジタル機器を使うことで子どもの脳の発達に大きな悪影響がある、と主張します。
こう言われると、デジタル機器を使うことで、
例えばオンライン授業が出来たり、豊富な動画でわかりやすい授業が出来たり、
恩恵だってたくさんあるというご批判があるかもしれません。
このような意見に対して著者はこのように反論します。
“例えば教育におけるテクノロジーの利用については、リスクと利益の両面で科学的見解が分かれているように見えるかもしれない
しかし、実際には、教育用ソフトウェアが学習や脳の発達を促進するという確かなエビデンスはまだ存在しない一方で、
コンピュータの使用が学習や脳の発達を妨げる可能性があるという明確なエビデンスの方は増えてきている。”
本書の監修をされている東北大学医学部加齢医学研究所所長の川島隆太先生も、具体的なデータを提示してこう述べています。
“学童期の発達障害が増加してきていることは、日本だけでなく世界的な傾向でもあります。
日本では2006年から2019年の間で、自閉症スペクトラム障害は6.5倍、注意欠陥多動性障害は14倍、
学習障害は11.5倍に増えていると試算されています。
(中略)
もちろん、家庭や社会といった環境の複雑な要因も見逃せませんが、
シンプルに「デジタルスクリーンの影響」といった視点で見てみると、
意外なほど簡単に解決策が見つかるでしょう。”
私自身、夜眠れない、体がだるくて一日中寝ている、という症状を呈している子の親御さんからご相談を受けたことがあります。
子どもと親御さんに、スマホやタブレットの危険性をよく伝えた上で、
それらから距離を取り、朝日を浴びる事、運動することを、規則正しく生活することを心掛けてもらったところ、
お子さんが元気になって学習を再開できるようになりました。
またこれは書籍の中でも紹介されているエピソードですが、
スマホやタブレットなどのデジタル機器を開発した人間たちは、
他人の子どもには平気な顔でそれらを売りつけておきながら、
自分たちの子どもには使用を厳しく禁じていた、という事実があります。
開発者が自分の子どもにそれを使わせないようにしていた。
この事実以上にデジタル機器の有害性を示す証拠が他にあるでしょうか?
本当に良いものだったならば、真っ先に自分の子どもに使わせるはずですよね?
お子さんのデジタル機器の使用に関しては、
様々腹に据えかねるものがあり、言いたいことが山ほどあるので、
内容に入る前にだいぶ字数が嵩んでしまいました。
すみません。
詳しくはまた次回。