記憶のメカニズム 〜残る記憶と消える記憶〜 | 不登校に悩む親御さんへ 家庭教師の大丈夫!@新潟のブログです。

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「記憶」について綴っております。

前回は記憶の種類について綴りました。

記憶には三種類あります。

・方法記憶:身体を伴った記憶で、いつまでも忘れづらい。

・知識記憶:知識や情報をそのままに記憶すること。つまり丸暗記と呼ばれるもので、中学生くらいまではこの方法が得意。

・経験記憶:何かしらの経験を伴った記憶。知識記憶が思い出しづらいのに比べて経験記憶は思い出しやすい。

今日はこの記憶の種類の特性を利用した記憶方法について綴ります。


学習を通して学んだことは、多くは知識記憶であることが多いです。

そして知識記憶は、丸暗記であるため思い出しづらいという特徴がありました。

この知識記憶を思い出しやすい経験記憶に転換する方法があります。

それは、覚えたことを人に教えるということです。

知識として蓄えたことを人に教えることで、「人に教えた」という経験を伴って記憶することになります。

だから思い出しやすくなるのです。

また人に教えるために、覚えたことを言葉にすることで、教える側も復習になりますし、

説明する中で人から質問を受け、理解が不十分なところが炙り出されてきて、さらに理解が深まるという効用もあります。



先日のブログで、知識記憶が得意なのは中学生くらいまで、と書きました。

知識記憶とは、知識を知識のまま丸暗記する記憶の仕方です。

しかし、高校生以降ではその知識記憶がどんどん衰えていくことが知られています。

それなのに学習内容の範囲は広く、深くなるわけです。

つまり丸暗記では対応できなくなってくるというわけです。

ではどうすればいいのか?

記憶の仕方を変える必要があります。

具体的には論理的に記憶するということです。

以前のブログで、記憶は他の内容と結び付けて精緻化すると忘れづらくなる、というお話をしました。

論理的に記憶するとは、情報と情報を系統立てて頭の中に入れることですので、忘れづらくなります。

例えば、数学や物理の公式を記憶する際に、その公式を丸暗記してしまうと知識記憶なので思い出しづらくなります。

一方、その公式がどういう話の流れで導き出されるのかを論理的に理解していれば、

その記憶は精緻化されているため、忘れにくくなるわけです。



身体感覚を伴った方法記憶はいつまでも忘れずに残る、という特徴がありました。

これを利用するならば、五感をフルに使って記憶することです。

例えば、歌の歌詞を覚えるときに、どうすると覚えやすいでしょうか?

歌詞カードを何度も黙読して覚えるでしょうか?

多くの人は、歌を聴きながら、歌詞カードを見ながら、自分で歌いながら、歌詞を記憶するのではないでしょうか?

その方が記憶も早く忘れずらくなるという経験があるかと思います。

これは五感、つまり身体を使った方法記憶に近い記憶の仕方であるため、忘れ辛くなるからなのです。

例えば、私は英語の学習では、教科書の音読を強く勧めています。

教科書を音読するときは、目から英文が入ってきて、口から発音して、その発音を耳から再入力しているわけです。

こうして五感を使って英語に触れることで、たとえ論理的に英文法を理解できなくても、

音で英語のルールを記憶しているため、テストでちゃんと答えが書けるし、

論理的に理解するよりも、身体を通して記憶しているので咄嗟に英語が出できやすくなります。


今日綴ったことは以下です。

・知識記憶を「人に教える」という経験記憶に転化することで忘れにくくなる。

・知識記憶は中学生くらいで限界になる。高校生からは記憶を精緻化し論理的に記憶する。

・五感を使って記憶すると体の感覚を伴って記憶する方法記憶同様に忘れづらくなる。


ご家庭でのお子さんの学習にぜひ試してみてください。

続きます。