前回のブログで、気持ちいっぱいになって動けなくなった子どもにまず必要なのは、母性的優しさ、受け容れること、包み込んであげること、とお伝えしました。
母性とは、受容と包摂なのですが、抽象的すぎて具体的に何なのか分かりづらいと思います。あくまでも、一例に過ぎませんが、私の考える具体例を挙げてみたいと思います。
1、スキンシップ
お子さんが中学生や高校生になっていると、もう抱っこするとか、一緒にお風呂に入るとかは難しいと思いますが、
例えば肩をもんであげるとか、足をマッサージしてあげるとか、お子さんと肌を触れ合わせる機会を増やしてみることをお勧めします。
スキンシップをするとオキシトシンというホルモンが分泌され、気持ちがリラックスして幸せな気持ちになることが知られています。
2、好きなご飯を作ってあげる
お子さんの好きなご飯を作ってあげてください。自分の好きなご飯を手間をかけて作ってもらうことは、「この人は自分に関心を持ってくれているのだな」という非言語的メッセージとして子どもたちに伝わります。私が読んで感銘を受けた本があります。料理は愛情表現なのだと感じました。
ここ:食卓から始まる生教育 内田美智子 著
誰かに大切にしてもらえて初めて、人は自分を大切に思えるようになるのだと分かりました。もしよかったら読んでみてください。
3、話を聴く
これは以前のブログでも綴りました。話を聴くというのはアドバイスという形をとって自分の意見を相手に押し付けることではありません。
相手を、分かり切ることなどできない、自分とは異なる他者として尊重し、分かり切れないことを分かりつつ、それでも分かろうとすることです。
4、勇気づけ
これはアドラー心理学の知見です。褒めるも叱るも評価の言葉であり、言葉をかけられた人に絶対的な安心感を与えるものではありません。
勇気づけとは、そのような評価の言葉ではなく、その人の存在に感謝する言葉です。
例えば、子どもが朝起きてきたら、「今日も○○の元気な顔が見れてうれしい」とか、家の手伝いをしてくれたら「助かったよ、ありがとうね」とか、ご飯を全部食べてくれたら「おいしそうに食べてくれてうれしい」とか、
その人の行為のレベルではなく存在のレベルに対して、感謝や喜びを伝えることです。
以上私の考える具体的母性を挙げてみました。
このような接し方を通じて子どもたちの心の中に安心感が生まれ、やがて立ち上がっていく、そういう事例が多いです。
一朝一夕ですぐに変わることはありませんが、続けることでゆっくりゆっくりお子さんは変化していきます。
どうぞご無理のない範囲で試してみてください。